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「マクスとモーリツのいたずら」ヴィルヘルム・ブッシュ Wilhelm Busch

2016.01.07 10:02

こちらはドイツの古典漫画/絵本作品として名高いヴィルヘルム・ブッシュの作品3冊です。

最初期の作品「マクスとモーリツのいたずら」の出版は1865年と「ふしぎの国のアリス」と同じ年に出版されています。

「マクスとモーリツのいたずら」はふたりのいたずらっ子がひどい悪戯をたくさんして、その挙句には、自分たちがひどい目にあってしまうというお話ですが、いわゆる教訓話とは少し感触が違います。ブラックユーモアとアイロニー、そして子どもの好奇心が混ざった、一筋縄ではいかない作品ですね。

日本での知名度はあまり高くないかもしれませんが、世界中で愛されている古典であり、ドイツでは彼の作品のから慣用句が幾つも出来たほど親しまれている作品です。

日本語訳された文章もリズミカルで口ずさみやすく、マザーグースやグリム童話を思わせもします。

後の作家に与えた影響は大きく、センダック、チムニク、ケストナーにも多大な影響を与えたと言われています。

子どもが読めばその悪戯に魅了され、大人が読むと、その悪戯のひどさに思わず笑ってしまいますが、その中に秘められた鋭いアイロニーに驚かされもします。多様な読み方、楽しみ方が出来る古典たる作品だと思います。


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