新作尺八(京都に連れていくつもりが…)
2018.06.11 03:46
今回は長文なので、はしょって読んでいただいても構いませんよ。
(強調したい部分は文字を大きくしています)
作成したのは、約1尺8寸の尺八。長さ55.7cm。
京都旅行持参を想定して製作。
歌口が深めになったので、メリ音をやや出しづらい。先生からは、歌口を削ったほうがメリ音(✳)を出しやすいと言われた。
✳ メリ音 ⇒ 首や唇を下向きぎみにしながら演奏して出す音のこと。同じ運指でも、何もしない吹きかたと比べて低い音程になる。
自宅で何度か試奏。太い音が出る。その理由はなんだろう?
竹の内部の節を大幅に削ったのが一つの理由だろう。
実は、もう一つあると気づいた!
スーパー尺八(地有り尺八の1種)といわれるタイプの歌口形状に似ているのだ。
スーパー尺八は、よくあるタイプの地有り尺八よりも大きい音を出せる構造になっている。深い歌口はその特徴の一つ。歌口を深くすることで、大きい音を出しやすくする。(ただし、メリ音は出しづらく、古典曲の演奏にはやや不向き。メリ音を多用するため。)
スーパー尺八は、泉州尺八工房にいくと実物を見られます。
私も、一度実物を見てきました。職人さんが吹いたら、フルートと勘違いする位の大音量が!(分かり易い説明が検索で、なかなかヒットしないのが残念です)
地無し尺八だが、スーパー尺八の特徴を一部兼ね備えた管になっていたのだ!
このまま、ジャズ、ポップスなどの演奏用にしようと決めた!
私が好きな数曲のテーマを吹きやすいキー(C♯m)の管なので。
たとえば、NaimaやEquinox。(両方ともコルトレーン作曲)
よく通うお店のセッションで、演奏しようと思います。
セッションの手応え次第では、京都旅行に持っていきたくなくなるかも。この子(尺八)が、旅先でケガしたり(=壊れる)、迷子になるのが心配なので。
おいおい、地無し尺八の良さが台無しじゃないかって。
メリ音が出しづらいだけかなと思います。
竹の内部の凸凹(節)はわずかに残っていて、それが倍音を生み出しているので。明らかに地あり尺八よりも様々な倍音が出ると感じます。
また、よく使う古典演奏上の音も少し工夫すると出せます。
甲リ(#D)を標準の運指だと音が外れることが多いですが、
若干、運指を変更すれば、スムーズに音を出せます。
この位のずれなら、私個人にとっては許容範囲ですね。
地有り尺八しか知らない奏者にとっては欠陥品だと思いますが。
私は、サックス奏者です。フラジオ(所定の運指で出せる最高音より高音)の運指は、楽器の種類によって運指が異なることが、サックス奏者間で知られています。
地無し尺八は、1本1本、適した運指が違うことがありうるのは、サックスのフラジオと似たことだと思っています。
楽器ごとに運指が違うことがサックスでOKで、尺八がNGって、ナンセンスだと思います。