PRイベントレポート「今やるべき企業PR&フリーランス向けPR」インフルエンサー×SNS・ストーリーテリング×オウンドメディアのプロを迎え、2018年5月に開催しました!
企業のPRや、フリーランスとして個人をPRしていくうえで、オウンドメディアやSNS活用は欠かせなくなりました。でも、どうすれば成果につなげられるのでしょうか。
2018年5月16日、企業PRのプロフェッショナル&フリーランスでご活躍中のPR上手なゲストをお招きして、トークイベントを開催。80名近くのみなさまにご来場いただき、大盛況でした。
登壇者は4名。株式会社am.代表取締役CEOの岡山 史興さん、3rd株式会社 代表取締役CEO川村 匡慶さん。そして、FluQuar inc.代表取締キム キュヨンさん・ファッションスタイリスト諸岡 史織さんです。
今回のレポートは、トークイベントを主催したitty selection Inc.が開講中の「広報・PRプランナー&PRライター養成講座」受講生のオノミチコが、担当します。
前半:フリーランス向けPR
前半では、キュヨンさん・諸岡さんのおふたりから、フリーランスとして活躍するためのコツをお聞きしました。
「自分は何者なのか」を発信することがPRにつながる
キュヨン:フリーランスで活躍したいなら、まずは自分の得意分野を発信することをおすすめします。
いくつかのキーワードをかけ合わせることができれば「自分だからこそ」の仕事は入りやすくなりますよ。わたしの場合は「海外×スマホゲーム×マーケティング」の3つをかけあわせて、何のプロなのかをひと目でわかってもらえるように工夫しています。
諸岡:わたしはホームページを持っていないので、自分の作品(スタイリング)をインスタグラムに載せています。それを見た方や企業からオファーをいただくことがあります。
工夫しているのは、プライベートショットも載せること。仕事ってクオリティだけじゃなくて「どんな人か」という人間性も大事ですよね。だから、わたしのキャラクターや雰囲気も伝わるようにしています。
フリーランスで活躍し続けるには「小さな信頼」を積み重ねること
キュヨン:「これのプロとして情報発信する」と決めたことについて、誰にも負けないくらい詳しくなること。
わたしは、つねに海外視察など最新情報を自分の足で収集し続けています。そういった地道な価値提供をしていく。そのうえで、自分がやりたいことについてもコツコツと発信することが、チャンスにつながっていくと感じています。
諸岡:スタイリストはチームで携わる仕事が多いので、人間関係や場の雰囲気づくりを大切にしています。自分がアシスタントをしていたとき、現場の過度な緊張感が苦手だったので、そうならないように、やわらかい雰囲気を心がけています。
一緒に仕事がしたいと思ってもらえるような人間関係ができていれば、「こういうことがしたい」と意思表示をすると、いろんな人が助けてくれるということが続いています。
後半:企業PR
企業PRのパートは、「PRは経営そのもの」という岡山さんに、専門であるストーリーテリング&ストーリーデザインについてお話しいただきました。
さらに「PRにはウソがあってはいけない」とおっしゃる川村さんからは、インフルエンサーを起用したPRトレンドについてお聞きしました。
ストーリーテリングもインフルエンサーPRも「目的」あってこそ
岡山:ストーリーテリングを「裏話を含めてエピソードを伝えていくこと」と認識されている方が多いようです。でも、単純にエピソードを伝えても意味がありません。
まず考えなければならないのは「なんのために、誰とどういう関係づくりをしたいのか」ということ。その目的や優先度にあわせて、企業の中にあるエピソードを掘り起こし、整理し、組み立てる。つまりデザインをして伝えていくのがストーリーテリングなんです。
川村:インフルエンサーを起用したPRとしては、最近は、企業が告知したいものを一方的にインフルエンサーに紹介依頼するのではなく、インフルエンサーとともにつくるPR成功事例が増えています。
インフルエンサーに「どんなものが欲しいか」「どんなイベントだったら楽しいか」とヒアリングしながら一緒につくっていくことで、より信頼される発信ができるんですね。PRを成功させるには、人間関係と同様でウソがあってはいけないと思っています。
測定できる指標設定はPRに、欠かせない
川村:PRは具体的な数値を指標にするのはむずかしいとは言われていますが、「どれくらい深い関係性がつくれたのか」という、いわゆるエンゲージメント率は重視すべきだと思います。
目的によって指標にすべきことは変わりますし、「拡散させたい」などの数値化しやすいものは、目標設定してから取り組むべきですよね。
岡山:最初のうちは指標を持たずに始めることがあるかもしれませんが、2か月くらい経ったら「これが指標になりそうだ」という数値化できるものを見つけるといいですよね。
オウンドメディアで、いいコンテンツをつくっても「結局これって何のためにやっていたんだっけ?」となってしまう企業が少なくないんです。
売上を指標にしてしまうといろんな要素に作用されてしまうので、各施策ごとの指標として「これくらいの認知向上のために、このメディアに、これをこう出す」というように決めましょう。
登壇者プロフィール
・キム キュヨン/FluQuar inc.代表取締役
2012年よりスマホゲームのアジア展開や国内外のマーケティングを担当し、2016年に独立。ゲーム・VRの市場調査や海外展開支援事業、技術研修、VRプロダクトの企画/受託開発を行う会社で毎月数カ国を飛び回りながら、個人としても女性向けのプログラミングイベントやVR体験会等「女性xTech」を軸としたコミュニティ運営を行う。
・諸岡 史織/ファッションスタイリスト
大学卒業後、ファッションスタイリストのアシスタントや、アパレル販売員、事務職を経験。そののち、ファッションスタイリストのマネージャーという裏方の“裏方”作業も務め、ファッションレンタルサービスのスタイリストを経験し、キャリアアップ。現在は、ECアパレルやCMなどのスタイリングを中心に幅広く活躍中。
・岡山 史興/株式会社am.代表取締役 CEO
1984年長崎県生まれ。学生時代からNPOの立ち上げや、愛・地球博にて市民プロジェクトリーダーを務めるなど、一貫して社会課題と生活者をつなぐコミュニケーション領域で活動。戦略PRコンサルティング会社を経て、2014年にStory Design houseを共同創業。2017年6月株式会社am. (アム)を設立。これまでに60社以上のスタートアップ、大企業、地域などのパートナーとしてブランド戦略立案からマーケティング・広報活動の実行支援、新規事業開発などを手掛ける。
・川村 匡慶/3rd株式会社 代表取締役CEO
2012年より、韓国ファッション企業の日本進出を支援する企業に参画。物流構築からブランディング戦略まで、日本市場におけるブランド運営の全業務を一貫して行う。2016年、3rd株式会社設立。ECサイト立ち上げ、SNSを軸にしたブランディング戦略に強みを持つ。2018年3月、インフルエンサーとメーカーを繋ぐブランド立ち上げプラットフォーム、タンジェリンをローンチ。
・プレスリリース(※イベントは終了しました)
注目のPRトレンド「インフルエンサー×SNS」「ストーリーテリング×オウンドメディア」から学ぶ、今やるべき企業PR&フリーランス向けPR〜トークイベント・5月16日(水)夜・東銀座〜
(執筆:オノミチコ)