ウズベキスタンの旅㉑ 大晦日の夕食 2023.06.12 13:00 ライトアップされ、観光客でごった返すレギスタン広場にて遠藤さんと大森さんと待ち合わせる。どの店、そしてレストランも閉まっているが遠藤さんが宿泊するゲストハウス前にあるレストランは大晦日の今日も開けているらしい。お二人共、男性一人旅で今朝たまたま知り合って一日一緒に観光していたという。そこに夕方、私とばったり会い、三人になった。お二人共気さくで明るく、人見知りなどしない性格な様子。もっとも、私もそうだ。そんな3人だと極寒のサマルカンドの大晦日でもパッと雰囲気が暖かくなる。すでに談笑を交えながら、街頭だけの明かりに照らされる、まるで裏路地のようなメイン通りを行く。すると、確かに1軒だけ、まるで寒さからしのぐシェルターかのように煌々とした光を放つ店があった。土産屋通りにあるためローカル感というよりも、観光客相手の店、という雰囲気だったがどんな店にせよ、この日、この時間に営業してくれていることに感謝だ。4〜6人掛けのテーブル席が10個ほどあり、半分ほどが客で埋まっている。当然といえばそうだが、地元の人はいないようだ。席につくなりメニューを開き遠藤さんが言う。「ここ、昼にも食いにきててね、今夜開いてるか確認しておいたんだよ。夜に来たらこれ食おうと思ってたんだよね」これ、とはウズベキスタンの名物家庭料理「プロフ」だ。ピラフというべきかチャーハンというべきか、そういった見た目であり、専門店もある。私も食べたいとは思っていたがウズベキスタンに来て以来のんびり食事にありつく時間がなかった。「そういえば、ウズベキスタンへ来て、まともな食事はこれが初めてです。」と伝えた途端、腹が思ったりよりも減っていることにようやく気がつく。三人で、メニューを見ながらあれやこれやと注文を決めていく。そしていざ店員を呼んで注文しようとするとメインで食べようと考えていたウズベキスタン料理「プロフ」がすでに終わってしまっているという。慌てて別のメニューに替えて注文。三人とも体が冷え切っていたので、温かい料理に生き返る。私は、菓子パンだのポテトチップスだのチョコだのを食事にしていたので、温かい料理が体に染みるほどうまかった。遠藤さんは、海外企業を相手に取引する会社員。大森さんは、大都市に居住の大手銀行マン。仕事の話もおもしろかったが、大森さんが今回、このウズベキスタンではコネを使って超一流ホテルに宿泊していて、遠藤さんが、「それはバックパッカーじゃない!笑」とツッコむところ始まったそれぞれの「バックパッカー観」談義も大変興味深かった。そう言う遠藤さんも、後で知ることになるが、バックパッカーの代名詞とも言えるザック一つで旅に来たわけではなく、スーツケースで旅に来ていて、「バックパックは重たいじゃん」とか言うわけで、「人のこと言えねーじゃん笑」というオチにはなった。べつにお金がなくて貧乏旅行をすることが「バックパッカー」ではないし、そもそも海外一人旅をしようと、1から全て計画することが我々はすごいのだ。それぞれがそれぞれのスタイルで一人旅していくことが、なによりストレスフリーであり、醍醐味なのだ。 さて、食事のあと、カウントダウンまでまだ時間があったので、このレストランのすぐ目の前にある遠藤さんのゲストハウスに行くことになった。自分の宿以外に入ることは滅多にないので、それぞれの雰囲気が感じられておもしろい。個室でツインベッド。部屋も広い。三人とも食後で体もあったまったせいか、昔からの友人のように雑談していたら皆、眠くなってしまった。私は歩いて5分で自分のゲストハウスがあるため、いったん帰って休むことにした。大森さんは、超一流ホテルまではタクシーでないと帰れないとのことで、ここでしばし仮眠するとのことに。遠藤さんのゲストハウスを出ると、さらに夜は静まり返っている。そんな中、土産屋通りに面した公園で、20代前後だろうか、若者らが爆竹を鳴らした。バン!バン!バン!音は静けさを切り裂いて響くが、しかし、若者らは全くはしゃぐ様子はない。爆発するそれを静かに見守っているだけよようだ。もしかしたら、新年を祝うためのそういう儀式的ものなのかもしれない。そんなことを考えながら夜道を歩いていると、まだサマルカンドへ来て2日目の夜だというのに、ずいぶん気持ちも土地勘も自由になっている自分に気付いた。