愛すると大切にする
誰かが「最近、素敵な場所に行った?」と聞いてくれないかと、ずっと期待しています。というのも、深くひと呼吸して、次のように勢いよく話せるからです。。。
「聞いてくれてありがとう。実はそうなんですよ。家から一歩も出ずに、あちこちに出かけてきました。これから紹介するページのおかげで、あなたもその世界に飛び込むことになりますよ」
私が最初に訪れた場所は、誰もが認識していながら、明け透けにしたり正直に話したりすることはほとんどない場所です。愛と呼ばれる場所ですが、ディズニー映画のようなものではありません。むしろ、より現実的で、厳しく、要求が多く、しばしば心を打ち砕くような場所です。そこは、私のマインドに進化を強いて、(願わくば)もっと慈悲深い存在となるように、より良い発展をする場所です。
私たちは今号のメインテーマとして「愛は動詞」を選びました。それは、愛という行動が私たちの生活に既に現れているあらゆる方法と、私たちが選択すれば、もっと愛の余地を見つけられるあらゆる方法を探るためです。
新しい寄稿者であるライヤ・バット(Raiyah Butt)は、今号のテーマのコーナーの皮切りに、自己愛が自己満足ではなく、政治的意志の行為であることを書いています。私は彼女とともに南ロンドンの市場を訪れ、そこで、パンデミックを通して、コミュニティとのつながりを取り戻すよう彼女に食べ物を分け与えることで、動詞としての愛を実証した屋台の店主のことを語っています。また私は、サンゴ礁の再生を手助けするために、別の新たな執筆者アナベル・ヘセルティン(Annabel Heseltine)と共にバリに飛び込んでいます。自然界を愛し、その衰退を嘆く彼女の記事には、エコロジーと研究の名目でアリゾナのガラスドーム[バイオスフィア2:地球環境を模した研究施設]の下で2年間暮らした住人(biospherians)の2人と過ごしたことが書かれています。しかも私は、アメリカの現代スーフィー[イスラム神秘主義(スーフィズム)の修行者。スンナ派の形式主義への批判から、神との一体化を求めて修行]、オミド・サフィ(Omid Safi)の足元に座り、自然界を大切にすることがコーランの三大教義の一つであることを学んでいます。
私は電車や飛行機、船やバスに乗ってはいませんが、今号で執筆者たちが共有する知恵や質問、アイデアと一緒に、私の心の中で何千キロも旅をしてきました。しかし、私が最も遠くへ旅したのは、10代へ戻った旅でした。かつて、書かれた言葉が気に入って買ったかわいいグリーティングカードを思い出したのです。スヌーピーのカードで、その昔は、誰もがスヌーピーが大好きだったでしょ? — こういう簡潔な言葉でした。「何かを愛すると、大切にするよね」
そう、今号の(毎号ではないにせよ)リサージェンス & エコロジストは、その事をそっと思い出させてくれるのだと思います。
スーザン・クラーク
リサージェンス&エコロジスト誌の編集者
(翻訳校正:沓名 輝政)