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ペットと子ども ~良い関係を築くためのポイント~

2023.05.25 01:00

動物が好きな子どもなら、一度は「ペットを飼いたい!」と言ったことがあるのではないでしょうか。そして親の立場としても、子どもが一人で遊べるくらい大きくなったら、お友達や兄弟のような存在としてペットを飼ってあげてもいいかな、という気持ちになることもあるでしょう。しかし、実際は「絶対に最後まで面倒をみる!」と言っていた子どもが途中で飽きてしまったり、ペットと子どもの関係性が次第に悪化してしまう例も聞きます。
特に犬の場合、ただ単に「仲が悪い」だけでは済まされず、ケガや最悪の場合は死亡事故につながる可能性もあるため、『良い関係』を築くことはとても重要です。

今回は、子どもがいる家庭でペットを飼う場合の子どもとペットの良い関係の築き方についてお話します。


ペットと子どもの問題点

里親会でペットを譲渡してもらおうとしても「小さな子どもがいる」という理由で断られることがあります。それは、特に初めてペットを飼う人はペットと子どもを良い関係に導くことが難しいからです。ペットと子どもはお互いのことがよく分からないため、飼い主である大人の家族がそれぞれに付き合い方を教えていかなければいけないのですが、それにはペットのことも子どものこともよく知っていなければいけないのです。

たとえば乳幼児の場合、ペットとおもちゃの区別がつきません。また、1~2歳の子でも気持ちを察する能力がまだ十分に発達していないため、ペットを必要以上にビックリさせたり怯えさせたりする行為をしてしまうこともあります。手加減無しにペットに力を加えて怪我をさせてしまうこともあります。ペットが命や感情のある生き物であるということをしっかりと教えなければいけません。

ペット側から見ても、多くの子どもは想定外の動きをしてきたり痛いことをしてくる相手と認識し、苦手意識を持つことが多いようです。

また、子どもよりも犬が先に家族で会った場合、それまで独り占めしていた飼い主の愛情を横取りしてくるライバルとして認識したりもするかもしれません。嫉妬心や家庭内の順位が自分より上であることを許さずに攻撃を仕掛けてくることもあるでしょう。本気になればペットのほうが牙や爪という武器があるのですから、子どもに相当なダメージを与えることも可能です。

では子供とペットが仲良く暮らすためにはどうしたらいいのでしょうか?


良い関係を築くためのポイント①子どもに教えること

【ペットはおもちゃではない】
ペットは動物です。動物としての生活があり、感情があります。ですからペットがご飯を食べている時、トイレをしている時、寝ているときには邪魔をしてはいけない、突然大声を出したり大きな物音を立てたりしない、といったルールをあらかじめ決めて必ず守らせるようにしておきましょう。


【ペットの良いお兄ちゃん・お姉ちゃんになる】
ペットにとって良いお兄ちゃん・お姉ちゃんになるために、力任せに抱きついたり、しつこく体をいじくりまわしたりといったペットが嫌がることはしない、ペットの食器を洗ったり、一緒にお散歩に行ったりといった世話を進んで行う、ということを約束させましょう。


【子どもだけでペットのしつけや世話をしない】
犬の場合、お散歩に行く時には必ず大人も一緒に行くようにする、大人の見よう見まねでペットを叱ったり、しつけをしたりしない、勝手におやつをあげたりしない、ということをあらかじめ約束しておきましょう。


良い関係を築くためのポイント②ペットの立場から考える

【子どものほうがペット(犬)よりも立場は上であることを教える】
犬の場合、家族の順位付けで自分のほうが子どもよりも立場が上だと思ってしまうと問題行動が増えることがあります。子どものいる前で犬を抱き上げて犬のほうが子どもより目線が上にならないようにしましょう。また、子どもが床に寝転がって目線を下にしてもいけません。ごはんを食べたり、お散歩に出かける場合には、その順番は必ずペットよりも子どものほうが先になるようにしましょう。


【子供といるといいことがあるということを教える】
おやつは必ず子どもと一緒の時にあげる、子どもと仲良く出来たらすかさずほめる、といったことを繰り返し行いましょう。


【家の中に一か所は子どもが来られない場所を作る】
どんなに子どもに分別があってペットが辛抱強くても、やはり時にはペットも一人になって落ち着きたい時があります。たとえば「ケージの中に入ったら、そこから連れ出したり呼びかけたりしてはいけない」というルールを作っておきましょう。ペットが余裕を持って子どもと対するには健全な肉体と精神力が必要なのです。


親として、飼い主として気をつけること

ほんの一回の喧嘩だったとしても、もし子供がペットに噛まれたりしたら、もう子供は動物に対して恐怖心を抱き、ペットも「人を傷つけた動物」として扱われてしまうかもしれません。ペットと子供が一緒にいるときには事故がないように大人の人が常に気を配るようにし、大人、子供、ペットという順序が崩れないように注意しましょう。


おわりに

動物のいる家庭は子どもの精神を安定させるとも言われています。イギリスの格言で「子どもが生まれたら犬を飼いなさい」という言葉があるほどです。もしペットと子どもがパートナーシップを築くことができればペットは子どもの遊び相手になるばかりか、精神的な支えになったり、いざというときに子どもを護ったりもしてくれるでしょう。そして子どもは動物を飼うことで、感情豊かな優しい人に育ちます。良い関係を築くことは時には大変なこともあるかもしれませんが、ペットが子どもに与える影響力は計り知れないものがあるのです。