てるてる坊主 ~語るように歌い 歌うように語る
G-clef Presents mov.38 : ♪非日常空間♪ Salon G-clef Concert 第14弾
2018/6/17(日) 13:30~15:30
演奏家としての姿勢
あーもう!! また雑念が入ってしまったよ(><)
最後まで変な力みが抜けきらず、途中声を押し出してしまったところもあったり、悔い残りまくりであった。終わってからの方が楽にちゃんと歌えてるやん!! 声抜けてるやん!! とまたツッコむ。またも本人が思うより悪くはないらしいんだが、緊張やら筋張やらのせいもあるんだろうが、今回はピアノとの一体感が全くなくて、それが更に雑念を生む結果になってしまった。ピアノの演奏が気になって気になって、思うように歌の世界に入り込むことが出来ず、煩悩の世界に迷ったまま終わってしまった感が否めない。
ピアニストは『任せて安心』でなければ、すべてを委ねて楽して歌う事は出来ない。勿論どんな名ピアニストとて本番にアクシデントは付き物であるが、最初から不安しかないのは如何なものか。
己とてまだまだ修行が足りんが、修行以前に練習が足りんのは勘弁してくれ。
コントロールの難しさ
前日から約10時間、しっかり睡眠は取れたんだが朝から食欲がなく、昼も普段の半分ほどしか摂れなんだ。斯くしてスタミナもなかった。「今日はちょっと大変そうね~」「実は痙攣がねー」「無理せず楽~に歌ってね」と、体調をよくお解りのお客様ならではの会話もあり、そういう意味では楽させていただいたんだが、右大腿直筋と二頭筋が痙攣しぃの両足中指が攣りぃの、本番前から結構大盛りであった。
結局今回はほぼ座っての演奏になったが、開演後程なくして動悸と眩暈がお越しになり、唇も痙攣し、声も身体もちょっとコントロールしにくい。座りながらも不安定で、右手はずっと杖を頼り身体を支えながらという状態であった。
ヘルペスは力技で捻じ込み押さえつけ、小さな瘡蓋が残る程度まで回復したものの、咽喉の乾燥は相変わらずコントロール不可。声帯も軽く閉鎖不全を起こしたような感じになり、途中音にならなかったりひっくり返ったりして、不安からつい力任せに出してしまった部分もあり、修正もなかなか上手く出来なんだ。それでも「今日は美輪さんほとんど出てこんかったねー」と言われたので、やはり気にし過ぎな部分はあろうか。
最終的には開き直り、最高音 High-A が怖がりもせずほぼ満足に出せたので、まぁ終わり良ければ何とやら的なまとまりにはなった(といい風に解釈w)。
演奏は正直
「以前は肩に力が入ってちょっとしんどそうだったけど、すっかり力も抜けて楽に歌われてるのがよく判って、聴いていても気持ちよかったです」と言われ、嬉しいやら恥ずかしいやら。何年か前は本当にもがきながら歌っていて、声を「出す」事に注力し過ぎていたが、今年は『小声唱法』推進年、まだまだ雑念はあるが大分コントロールが出来てきて、一歩退いた歌唱が出来るようになってきた。
前回も大学時代の先輩から「兎に角歌うのが好きっていうのがめっちゃ良く伝わった」と言われたが、いつも多方面から「毎回楽しみにしてるんよ」「聴いてて楽しくなれるわぁ」とのお声を頂く。特に何かを伝えようと気負ってはいないが、自分の演奏で何かが自然と伝わってくれれば、演奏家冥利に尽きるというものである。
力みも雑みも含めて…やっぱりしんどい演奏は、聴いててもしんどいよねぇ。反省します。うちのお客様、感度高いからコワイ(*0*)
聴くだけではない楽しみを
そんな中、回を追う毎にレクチャー度が増している当リサイタルであるが、今回も同作品の編曲違いの聴き比べや作品のアッと驚く裏話など、常連のお客様とて新発見な情報を提供し、色々な角度から作品を楽しんでいただく事が出来た。毎回ネタ探しは大変であるが、演奏の間の講釈(?)を大変楽しみにして熱心に聴いてくださるので、その分こちらの勉強のし甲斐もある。
竹久夢二が表紙絵を手掛けた楽譜もご紹介出来、皆さん身を乗り出して熱心に観ていただいた。金沢で入手した『セノオ楽譜夢二表紙画集』が今回も大活躍。年表と併せて、今後定番になりそうな気配である。
歌う事はなにより楽しい。ただ聴いてもらいたい一心で歌ってきたが、本番中お客様と遣り取りしたり、これまでの変遷を第3者としての眼と耳で直接評価していただいたり、新たな興味を持っていただくきっかけになったり、お客様自身が『来る』ことを楽しみにしていただいたり。ホントに贅沢な『非日常』をこちらが体験させてもらっている。
「次も楽しみにしてるね~♪」「今度はどんなお話聞けるやろ♪」と帰り際。
ありがとうございます!! 精進します!!
我ながらこんな身体でよぉやるなぁ、演奏中は健康体に見えるなぁ(まぁ腰から下はビデオに映ってないからなー座ってるっぽく見えんしなー)と、ちょっと呆れてみたりする。流石に火事場の何とやらである。
演奏終了後、気を抜いた途端腰に激痛が……(^^;;;;;;;;;)
ご来場の皆様、ありがとうございました。
唱歌:----------
♪てるてる坊主
曲:中山晋平
詩:浅原鏡村
♪青い目の人形
曲:本居長世
詩:野口雨情
♪ゆりかごのうた
曲:草川信
詩:北原白秋
♪赤い靴
曲:本居長世[編:髙岡康平]
詩:野口雨情
♪かえろかえろと
曲:山田耕筰
詩:北原白秋
♪箱根八里
曲:瀧廉太郎[編:本居長世]
詩:鳥居忱
♪夏の思い出
曲:中田喜直
詩:江間章子
♪ねむの木の子守唄
曲:山本正美
詞:皇太子妃美智子殿下(正田美智子)
日本歌曲:----------
♪かきつばた ~『AIYANの歌』第2曲
曲:山田耕筰
詩:北原白秋
♪箱根の山
曲:瀧廉太郎[編:山田耕筰]
詩:鳥居忱
♪行々子(よしきり) ~『沙羅』より
曲:信時潔
詩:清水重雄
♪風に乗る
曲:岡本敏明
詩:竹友藻風
ドイツ歌曲:----------
♪Seligkeit 至 福
曲:フランツ・シューベルト
詩:ヘルティ
♪Die Forelle ま す
曲:フランツ・シューベルト
詩:シュバールト
♪Lachen und Weinen 笑いと涙
曲:フランツ・シューベルト
詩:リュッケルト
ロシア歌曲:----------
♪Соловей うぐいす
曲:チャイコーフスキィ
詩:プーシキン
♪Отчего? 何故?
曲:チャイコーフスキィ
詩:メイ
♪Растворил Я окно ... 窓を開ければ
曲:チャイコーフスキィ
詩:ロマノフ
イタリア歌曲:----------
♪Quando ti rivedro いつまた君に逢えるだろうか
曲:ドナウディ
詩:不詳
♪O del mio amato ben ああ愛しい人
曲:ドナウディ
詩:不詳
♪Vaghissima sembianza 限りなく優美な絵姿
曲:ドナウディ
詩:不詳
アンコール:----------
♪うぐひす ~『春夫の詩に撚る四つの無伴奏の歌』(一)
曲: 早坂文雄
詩: 佐藤春夫
ピアニスト:奥野 かおり