イメージを音にする
音響の良いホールでいいピアノで音をきくと、あぁ、ピアノの音っていいなぁとしみじみ思います。色々な楽器のそれぞれの良さがありますが、私はやはりピアノの音が大好きです。
そもそもピアノが現在のような形に出来上がる前までは、外観が似ている楽器ではチェンバロしかなかったのですが、これは弦をはじく構造なので、クラシックギターのような小さめの音しか出ませんでした。
ですからピアノが出来上がることで、現在広くきかれているようなベートーヴェンやショパンなどの名曲が生まれたと言えます。
ピアノの正式名称はピアノフォルテといって、弱い音も強い音も出せる楽器、という意味で名付けられたのでしょうが、実は強い弱いだけではないのです。柔らかい、硬い、暖かい、冷たい、深い、浅い…まだまだ表現はいくらでも出てきます。ピアノひとつの楽器でオーケストラの全ての楽器を表現出来ると言ったピアニストがいます。
私達は曲を読み解いて作曲者が何を表現したかったのか考えます。そして、自分の中でイメージをふくらませ、それを音にしようとします。その時、想像した音を出すのに必要なのが、コツコツと積み上げた日々の練習で培ったテクニックや感覚なのです。
たくさんの引き出しからその時イメージに合う音を引っ張り出してくるには、たくさんの表現法を身につけることが必要になってきます。
身につけるというのは、栄養と同じで日々少しずつ浸透していって、結果はすぐに出ないけれど、気づいたらその人の中で大きな存在になっているものです。
だからピアノで表現するのには、コツコツと感覚と耳や体を使って身につけていく事が必要になってくるのです。
そう考えると、ピアノを素敵に弾きたいと思ったら、出来るだけ早い時期に電子ではないピアノを用意できたらいいな、と思うのです。
電子ピアノとピアノについてはまた改めて投稿します。
子供さんの成長の著しい時期の大切な何年か、週に一度であっても積み重ねで浸透していくもの。この大事な大事な時間を私に預けてくださることに感謝しつつ、責任の大きさも感じながら、よりよい指導ができるよう努力します!