周囲から何か言われるかもしれない恐怖
こんにちは、Spark Lab(スパークラボ)の津田友恵です。
先日、8年程前にルミナスパークを使ったリーダーシップ研修に参加された伊藤由佳理さんという方にインタビューをする機会がありました。
彼女は大学の教授で数学研究者、教員として働いています。
今日は、彼女がインタビューの中で、「ルミナスパークのリーダーシップ研修に参加したことが、この本を書くきっかけになりました」とおっしゃる著書、『研究するって面白い!』をご紹介しながら、彼女の体験と思いをお伝えできればと思います。
とやかく言われないようにやるべきことだけちゃんとやる
当時、伊藤さんは名古屋大学の准教授として仕事をしながら、二人の子供を育てていました。
仕事柄、9時5時で終わる仕事でもなく、出張も多い仕事でしたので、参加したい研究集会があっても「子供の学校がある日だから参加できないな」とあきらめることもあったそうです。
数学研究者としてやりたいこともあるけれど、「子育て中で自由も効かないこともある。そんな状態で余計なことをしたら、周囲から何か言われてしまうかもしれない。だから教員としてやるべきことだけをちゃんとやろう」そんな思いで、枠の中に入るように、“きちんと”仕事をしていたそうです。
そんなときに、名古屋大学の男女共同参画が主催する「ルミナスパークリーダーシップ研修」の案内がありました。
伊藤さんは「リーダーになりたい」とか「教授になりたい」とかそんなことは全く考えていませんでした。
ただ「リーダーって何なんだろう」という興味から、ご自身も参加することにしたそうです。
自分らしく、自信をもっていいんだ!
リーダーシップ研修は女性のみの参加で、いろいろな学部から、准教授だけでなく、ポストドクターも参加していました。
生活スタイルも様々で、結婚している人、していない人、子供がいる人、いない人といろいろな方が参加していたそうです。上司とのコミュニケーションに悩む人や子育て中で仕事に悩む人もいました。
そのような中、ルミナスパークで自分らしさや自分の強みを知り、いろいろな状況はあるけれど、自分は自分として自信をもっていいのだという捉え方に変化をしていきました。
他の参加者も、問題の状況は変わっていないのに、どんどん明るく“やれることをやっていく変化”をしていき、そのことは伊藤さんにとっても刺激になりました。
伊藤さんはこの研修をきっかけに「やるべきことをやる」という枠から「本当は私、何がやりたかったんだっけ?」という問いに変わっていったそうです。
周囲から何か言われるかもしれないけど、やりたいからやってみよう
ルミナスパークリーダーシップ研修を受けて、捉え方に変化の起きた伊藤さんは行動も変わっていきました。
「出張して研究集会に行けないのなら、自分で開催してしまえばいいんだ」と自分の大学で大きな研究集会を開催したり、「自分のような女性研究者の体験をまとめて、進路に悩む学生や研究者のヒントになるような本を書きたい」と、枠を超えて行動をしていくようになりました。
そのような中で生まれた本が『研究するって面白い!』という著書です。
伊藤さんだけでなく、11人の女性科学者(数学、医学、化学など)がどうやって進路を決めていったのか、日々どのような思いでどのような研究、仕事、生活をしているのかがリアルに描かれています。
現在、学生はもちろん、中高生をもつ保護者にも読まれ、5刷となっているそうです。
読者の方から「本を読んで、自分のやりたいことをやっていいんだと気づいた」って言われたことがとても嬉しかったと伊藤さんはおっしゃいます。
若い方はこれからの選択のために、キャリアや人生経験を積んだ方はこんな生き方もあるのだという視点を広げるために、ルミナスパークを受けた方は他の受講生の体験談として、ぜひ読んでみてください。