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いわぶち動物病院

アナフィラキシーショックとアレルギー

2023.05.20 02:01

よく、蕎麦やピーナッツを食べて、アナフィラキシーショックを起こし、死にそうになった、または死亡したという人の話を聞いたことがあるかと思います。


では、アナフィラキシーショックって何でしょう?

要は、急激な酷いアレルギーのことをアナフィラキシーショックと呼ぶだけで、本質は同じです。


実際に、稀にワクチンを打ってアナフィラキシーショックを起こす人がいますが、アレルギー持ちの人ほど、アナフィラキシーショックを起こしやすいことが知られています。


改めて、アナフィラキシーショックとは何なのか。

アナフィラキシーは何らかのアレルゲン(アレルギーを起こす物質)にさらされた時、数分〜数時間で、様々なショック症状を起こすことを言います。基本的に、アレルゲンを取り込んでから早い段階で起こるものほど、危険な症状を起こすことが多いです。


さらに、ショックとは何か。

説明が大変なので、ウィキペディアに頼っちゃいます。

こうしてみると、主に嘔吐、呼吸困難、意識障害、血圧低下が基本的な症状です。

ワンちゃん、猫ちゃんでは顔がぷっくりと腫れたり、嘔吐を起こすことがわかりやすい症状でしょう(ただし、症状が軽すぎて、車酔いと区別がつかないこともあったりします)。


また、個人宅で危険な兆候を知る方法として、首や手首で脈が感じられるかどうか。自分と比較してみてください。

自分の脈の強さと比べてかなり弱ければ危険信号です。ワンちゃん、猫ちゃんは大腿股動脈と言って、股にある血管が一番計りやすいでしょう。

もしもの時のために、自分のペットのどの辺りが脈を取りやすいか、練習しておくと良いかも?しれません。


もう一つは体温。血圧低下に伴い、体温が下がります。この、体温の低下が起こった時は、非常にヤバい状態だと思って下さい。

当然ながら、ワンちゃん、猫ちゃんも一度以上アレルギーを起こした経験がある子の方が、ワクチンアレルギーを起こしやすいようです。

そのため、そういう子はアナフィラキシーショックにすぐ対応できるように、院内や車の中、病院向かいの公園でしばらく様子をみてもらったりしています。


とあるアレルギー専門の先生の論文では、特にワクチンを接種してから、30分が目安になる、ということが書かれていました。

30分以内にアレルギーを起こすとアナフィラキシーショックになりやすい。それ以上だと、ただのアレルギーですむことが多い、ということだそうです。



追記


もちろん、アナフィラキシーショックはワクチンだけで起こるものではありません。

蜂に刺された、薬の有害反応、食べ物でも起こり得ます。


また、ワクチン後の興奮や運動もアレルギーやアナフィラキシーを起こす原因になります。

まだ僕が10代の頃ですが、バラエティー番組で、ワクチン接種の直後にマラソンをしてしまった人がいて、酷いアレルギーを起こした話をしていました。


人間にはもしもの時のためのエピペン(アドレナリン)という薬がありますが、ワンちゃん、猫ちゃんの場合、急いで病院に行くことくらいしか方法が無いのが現状です。

ちなみに、アレルギーを起こしやすい犬種として、ダックスフント、イタリアン・グレーハウンドが挙げられます。

これらの犬種を飼育している方は、より一層気をつける様にしておくと良いでしょう。