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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

「何を勉強しに行くの?」に対する答え

2018.06.17 12:55

こんばんは。夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。


 最近、利用者さんやご家族さんにこの質問を受ける機会がたくさんあります。

「7月から、大学院に行くために休職するので、担当変更をさせて頂きます。」とアナウンスする時や、担当変更に伴って、私と一緒にやる最後のリハビリの時などです。

実は、いつもなんて説明するか迷います。一言でいうのは難しいし。。。

ちょっと保険制度の話をしてみたり、『Evidence Based Medicine: EBM』について説明してみたりしますが、結局『??』という顔をさせてしまうことも多いです。

なので、こう答えることに決めました!!

『世界最先端のリハビリを勉強してきます』と。

これくらいスパッと言い切ったほうがわかりやすいかと。

で、補足として

  ①最近までのリハビリは、偉い先生の経験や意見に基づいていることが多かったんです。  

  ②今後は、実際の患者さんでデータを取って、効果が検証されたリハビリを行うという

   流れになります。

  ③そうすることで、より効果は大きく、コストは安いリハビリが患者さんに

   提供できるようになります。

 そのために必要な知識を身につけてきます。 と答えます。

疫学がどうとか言われても困ると思うので。。。。 ざっくり言うとこんな感じで間違いないと思いますし、医療の専門家でない方々にもわかりやすいんじゃないかと(少なくとも、長く説明されるよりは)。あと、実は、利用者さんもご家族さんも、正直そこまでは私が勉強する内容に興味がないとも思うので、サクッと短く説明されるほうが嬉しいんじゃないかと。。。笑

ホントは、『Evidence Based Medicine』 という言葉を使って説明できるとよいです。ただ、この言葉の知名度は、私に質問してくれた利用者さんとそのご家族の間での知名度は0%でした( ;∀;)。0です、どなたもご存じなかったです(ちなみにうちの父親も知らなかったです・・・)。 『そうなんだ~』と、ちょっとびっくり。テレビで医学に関する番組がない日を探すほうが難しい位、たくさんの番組があるのに、『Evidence Based Medicine』とか『根拠に基づいた医学』みたいな話ってあんまりされていないのか、それとも視聴者の印象に残ってないのか。。。

ただ、対象者さんは当然、高齢の方が多いので、「そうか、経験に基づいてやるっていうのはもう古い時代なのね」とポロっと淋しそうに仰ったりすると、「いやいや、そういうわけでなく・・・」となんかしどろもどろになってしまってみたり・・・。

 私は、医学の『治療』自体は『注意しないと、経験は足かせになる』という立場です。 ただし、患者さんや利用者さんに提供されるのは医療『サービス』です。なので、接し方とか、どんな言葉をかけてモチベーションをあげるかなどのヒューマンスキルは欠かせません。どんなに適切な治療方法を選択するスキルがあっても、そもそも『触られるのが嫌だ』と言われてしまえば、その治療は存在しないのと同じです(実際、提供できていないわけですし)。 ですので、『サービス』においては、経験が大いにものをいうと考えます。

 私たちは、治療の選択に対しては『経験』を過大評価しないように注意する必要があるし、ヒューマンスキルに関しては『経験』を過小評価しないように注意しないといけませんね。

今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました  

 理学療法士  倉形裕史