アレルギーにおける「衛生仮説」
以前にもアレルギーに関して記載して、その際、ニコわんというサプリメントのことを完全に否定させていただきましたが、先進国において、アレルギーが増加した理由の一つとして、「衛生仮説」というものがあります。
この衛生仮説というのは、現代になり、細菌感染症や寄生虫感染症が減少したことと、アレルギーや自己免疫疾患が増加したことに関して、関連があるのではないか?という仮説です。
実際、薬が進歩してそれらによって治る病気が減ってきた地域では、自己免疫疾患が増加していることが証明されています。(自己免疫疾患に関してはまた後で記事を載せさせていただきます。アレルギーと近い物だと思ってください)
また、子供の頃に感染症を多く患った人ほど、統計的に喘息や花粉症にかかりにくいということが判明しています。
つまるところ、子供の頃に、野山で遊び、泥だらけになったり、汚い環境に暮らしていた場合の方がアレルギーになりにくいのです。
そこで最近、研究されだしたのが、アレルギー患者や自己免疫疾患を持つ患者に寄生虫を感染させる、という治療方法です。
はっきり言って、気持ち悪い!と思う人がほとんどかと思います。
ですが、以前にもお話した、本来寄生虫を攻撃していたIgE抗体がアレルギーを引き起こしていることはわかっており、そのため寄生虫を体内で飼うことで、IgE抗体は寄生虫を攻撃することで手一杯になって、アレルギーにかからなくなる、という理論が実際にあります。
じつはこのことはとある医者、藤田紘一郎という先生が、昭和52年にはすでに提唱していたことです。
その先生は、「そんなに言うなら寄生虫食ってみろよ」と言われたらしく、実際に体に害の無い、サナダムシなどを飲んだところ、本当に健康になった、という実績があります。
寄生虫を体にいれる?ちょっと抵抗が大きいことです。
ですが少なくとも、発展途上国ではアレルギーが存在せず、先進国においては大量のアレルギー患者が存在する。
本当に関連性があるの可能性が高いです。
そのことを熱心に研究していた、先ほど名前を上げた藤田紘一郎先生はすでにお亡くなりになっています。が、上述した通り、寄生虫がアレルギー、自己免疫疾患の治療に効果があるのではないか、ということを研究している科学者は日本だけでなく海外にもたくさんいるのが現状です。
もしかしたら、将来、アレルギー患者に寄生虫の卵が入ったカプセルが処方される時代が来るかもしれません(゚Д゚;)。