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いわぶち動物病院

自己免疫疾患(下の衛生仮説を先に読むことをオススメします)

2023.05.22 03:46

一つ前の「衛生仮説」で何度か登場した自己免疫疾患。


アレルギーが害の無いものに、体の免疫が反応してしまう病気なら、自己免疫疾患は自分の体その物を異物として体の免疫が自分自身を攻撃してしまう病気です。

リウマチや喘息もこの自己免疫疾患です。

有名人言えば、安倍元総理も自己免疫疾患のうち、潰瘍性大腸炎というひどい下痢を起こしたり、下血したり、栄養が腸を通り越して、そのまま便に出てしまったりする病気を患っていました。


炎症性腸疾患(腸だけに症状がでるもの。潰瘍性大腸炎もこれです)以外の自己免疫疾患はホルモン由来で女性に多いと言われています。膠原病とかもそうですね。


当然ながら、自己免疫疾患はワンちゃん猫ちゃんもかかります。


自己免疫疾患には主に全身性と臓器特異性の2つに分類できます。


全身性のものは全身性エリテマトーデスという病気が稀にワンちゃんに認められます。

エリテマトーデスというのは、皮膚にでる強い発赤のことですが、全身性の名前の通り、口内炎や腎障害、神経障害、溶血性貧血などなど、酷い症状が現れます。

基本的に治療はステロイドや免疫抑制剤を使用します。

薬を使用している間に、徐々に自分を攻撃することがなくなってくれば、寛解(完全に治ったとは言えない病気が、症状を見せなくなった状態を寛解と言います)となり、一時的か一生か、治療を中断することができます。


臓器特異性のものは、炎症性腸疾患や免疫性溶血性貧血が挙げられるかと思います。

炎症性腸疾患は上記のように、止まらない下痢、食べても栄養が吸収できない、などの症状が主体です。


免疫性溶血性貧血は非常に恐ろしい病気で、自分の抗体が自分の赤血球を破壊し、貧血になる病気です。

症状は個人差があり、いつもよりかなり濃い色の尿をしたと思ったら、すでに赤血球が殆ど無くなっていて、死に至ることも多いです。


治療法はやはり全身性エリテマトーデスと同じになります。



今回紹介したのは自己免疫疾患の一部でしかありませんが、どれも中々治すことの難しい病気になります。


先ほどの寄生虫の話になりますが、寄生虫が体内にいることで自己免疫疾患が治るのだとしたら、僕の喘息も治ったりするのかとも思ってしまいます。

自分も含め、アレルギーや喘息、膠原病に悩まされている人も多いし、本当に寄生虫が治療法になるのなら……、考えてしまいますね😅


そもそも寄生虫を手に入れる方法なんてわかりませんけどね😵‍💫