鉄骨造の耐震補強について
先日、リフォームコンパス東京表参道店にM様がご夫婦でお越しくださいました。
暮らしの診断シートからお問合せをいただいていたのですが、
いくつか質問のメールをお送りさせていただいたところ、
ご予約をいただき、来店くださったという経緯でした。
M様のご計画は、奥様のお父様と祖母の名義になっている鉄骨造のお家があり、
お父様が毎週見には行かれているものの、空き家になっている物件のため、
そこを全面的にリフォームして、ご家族で住むというお考えでした。
全体的に主要構造部と呼ばれる構造についてはそのままにしつつ、
間取りは大幅に変更を希望されており、まだ小さなお嬢様2人それぞれに
子供部屋を用意してあげたいというご希望や、
しばらくはリビングで勉強してもらいたい、という想い、
また収納をしっかりと用意すること、家事動線をすっきりさせたいこと、
防犯に関することなど、色々とお話を伺う事ができました。
そしてその中に、耐震補強をしたい、というご希望もありました。
築年数が古くなってきた建物の場合、どうしてもその耐震性には気掛かりが残ります。
M様のご計画の建物についても、40年を超えている様でしたので、
同様に心配をされていたのかと思います。
ただし、一般的なリフォームにおいて、鉄骨造の耐震補強というのは、
非常に難しい内容となってきます。
実は木造2階建ての建物とは異なり、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造の建物などは
構造計算と呼ばれる複雑な構造設計によって建築されています。
実はこの構造設計には、専門の設計事務所が存在しており、
根拠を持って計算をしていくためには、それだけで非常にコストがかかります。
また、そこから築年数が経過している場合、劣化した部材の強度を証明することは難しく、
公共建築物などの大型の建物を除いては、耐震診断や耐震補強を行うことは、
実はなかなかハードルの高い内容となっています。
もちろん一般的なリフォーム会社には、例え大手の会社であっても対応はできず、
専門の設計事務所や大型の工事を行う、ゼネコンなどに依頼をすることが必要となるのです。
M様にはそういったご説明もさせていただき、
また鉄骨造などの建築物は、逆に構造計算を元に建築されているため、
地震に対してもある程度の強さが見込まれることなどをご説明させていただきました。
その上で、提案力に期待のできる会社を4社ご紹介させていただくことができました。
リフォーム業界のお話などもいろいろとさせていただいたので、
M様ご夫妻にも喜んでいただけた様に思います。
ぜひご家族で楽しく過ごせるような素敵なお家にしていただけたらと思います。
M様、ご来店くださいましてありがとうございました。
Kousuke Kitamura