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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

ネイティヴスピーカーって凄いんです。

2018.06.20 12:51

こんばんは。夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。


今朝、新聞の一面をみて、やっぱり、ネイティヴスピーカーってレベルが違うな。とおもいました。


その時の記事がこちら。


『日本 金星発進』

この6文字で私達、日本語のネイティヴスピーカーは、多様な情報を得ることができます。難しい話ではありません。普段から、私達が無意識にやっていることです。


この6文字から、私たちは・・・、


 ①日本の誰かが試合をして勝った。

 ②相手は格上で、勝ちの見込みが低かった。

      (白星じゃなくて、金星だから)

 ③勝ったのは個人でなく、団体。

      (ここは異論があるかも知れませんが、通常『発進』はあんまり個人には使わない気がします)

 ④何かの大会の初戦だった。

 ⑤今後も試合がある。

    (『発進』だから)


さらに写真の情報があれば、


 ⑥日本代表のサッカーの試合だな。

 ⑦ワールドカップだ。

 ⑧そう言えば、コロンビア戦だったな。

 ⑨香川選手がなんか活躍したのかな?


この一面を一目みただけで、意識するかしないかに関わらず、①〜⑨あたりの情報を瞬時にインプットしてしまうわけです。


この見出しの一文(?)を、簡単な日本語に翻訳(?)すると

『サッカー日本代表がコロンビア代表に勝ちました。ワールドカップの初戦で。試合前はコロンビアは日本より格上とみなされていました』という内容です。わざと滑らかじゃない日本語にしたのは、文の骨格を分かりやすくするためです。

『サッカー日本代表』が主語、『コロンビア代表』が述語、『勝ちました』が動詞です。


英語は基本的に文の骨格がしっかりあります。この新聞の見出しには主語も述語も動詞もありません。(『発進』は名詞です。動詞なら『発進した』です)

なので、この見出しの一文は、英語圏の人達などにはメチャクチャ難易度が高いんじゃないかと思います(。-∀-)

 おそらく、初級から中級の日本語学習者はこの見出しを読んで


『日本 金星発進』か・・・・

『日本→Japanのことだな。』

『金→Goldのことだな。色のことか、物質のことか?いやもしくはmoneyの可能性も・・・』

『星→Starのことだ。』

『発進→Launch とかtakeoff のことだな』

日本の(もしくは日本で?)金色の星、もしくは純金製の星が、どこかに向かって出発したのか?でも写真はシンジ カガワだし・・・。ワールドカップの話題のはずなのに??なぜこのタイトルなんだろう??

難しい単語は使われていないのに、なんで意味が理解できないんだ。Why Japanese people?!!!


となってしまう・・・かも。

『金』と『星』を単独で見ても、『格上と戦った』、『勝利した』という意味はありません。ですが、『金星』というコンビになると『格上と戦って、勝利した』という意味になります。

さらにこのタイトルを理解するためには、相撲という日本の文化にも理解がないといけません。『金星』という単語はかなり格上相手に勝利した時に使われる相撲の言葉だからです。(多分。。。。金星が相撲用語じゃなかったらすみません)

さらにコロケーションという単語同士の相性のようなものの知識も必要です。

『発進』は、通常機械や乗り物などが動き出すときに使われる動詞です。


 例1:今週のびっくりドッキリメカ、発進)

 その他のコロケーションの例として・・・

 例2:雪は『降り』ますが、小雪は『ちらつき』ます。『小雪が降る』と

    言われても意味は通じますが、日本語ネイティブの人が聞くと違和感を感じます。


ですが、時に『発進』は、このようにスポーツ場面で、チームが最初の試合でポジティブな結果を出したときに使われます。(ネガティブな結果の時、『黒星発進』と書くのは若干の違和感があります)

なぜいきなりこんなことを書いたかといいますと・・・( 一一)?

理由は、今朝、この見出しを見た時に、昨年、ロンドンで新聞を読んだ時に惨めな気持ちになったことを思い出したからです。

(ちなみに『metro』はイギリスでは地下鉄のことではなく、毎朝無料で配られている新聞のことを指します。地下鉄は『tube』です。tube状の地下空間を地下鉄が通るからなのでしょうか?詳しい由来は知りません。)

 この、『metro』の見出しが、まぁ読めない( ;∀;)。構成されている単語は知っていても、内容が理解できず、軽くへこんでました。でも、こういう風に母国語の新聞を見てみると、新聞の見出しは、言語への深い理解に加え、文化への理解もないと意味を把握できないことがわかります。正直、ネイティブスピーカーレベルの英語を使えるようになりたいわけではないので、今は、『別に新聞のタイトルとか読めなくてもいいじゃん(^^♪』と思えます。

 そこそこ英語の勉強をしても、ネイティブスピーカーとの間には深くて大きな溝があります。ですので、自分自身への戒めも含めて『カッコつけても、どうせ、ネイティブとバイリンガル以外の英語学習者は、理解できていない英語表現がありまくりだよ。だから、自分ができないことを気にしすぎないでいこうよ。』と言いたいです。

少し考えてみると、言語も面白い。

今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 理学療法士 倉形裕史