Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

菅原靖之(ecke)のビート研究所 test.3<菅原靖之>

2018.06.20 03:00

 最近新しい音楽機材(MASCHINE mk3)を衝動買いしてしまったこともあり、今回はその勢いに任せて、偉そうにビートメイクのTipsなどについて綴っていきたいと思います。

 自分はMPC2000XL(サンプラー機材のことです)でのハードサンプリングに始まり、最近はもっぱらPC で作っているのですが、気づいたことを色々書きます。何かの参考になれば幸いです。

 ビートの打ち込みにはクオンタイズ(リズムを自動で正確に直してくれる機能)があるんですが、僕は基本的にこれをOFFにしてます。自分でパッドを叩いたリズムを補正せずにそのまま使いたいからです。そのほうが微妙なズレとかを利用できるので、流行りのみんな大好きヨレヨレビートみたいなのをやりたいなら、クオンタイズしないほうがいいんじゃないでしょうか。他にも数値でズラす方法があったり、音の波形編集を利用したりとか、やり方は色々あります。あとバンドの話しですが、生ドラムでこれをやりたいドラマーの人はまずこの「サンプラーのパッドを叩く」っていうのを本当にやったほうがいいと思います。

 あと最近やってるのが、ドラムの単発音サンプルを使わずにドラムループをスライスする方法。別にいたって普通の方法なんですが、大体がキックやスネアの単発部分だけをカットして使うと思います。でも、わざと余計な音が入っているポイントでスライスしたりすると、自分で思いもしなかったビートが作れたりするので面白いです。

 上モノのサンプリングについては、大概4小節〜8小節を16個でスライスして、パッド叩いてパターンを作ります。まんま使いのサンプリングはあまりしないですね。どうしてもピッチ変えたりスライスしちゃいます…。ただ、エフェクトをあんまり使わないことが多いんですが、フェイザーとかモジュレーション系のエフェクトを積極的に使ったりすると、良い感じに聴こえてきて突破口が見えたりするので、煮詰まったときはそうしたりします。

 あと最近の悩みなんですが、みんなDAWとどうやって連携させてるのか気になります。特にMASCHINEと、あとはハードのサンプラー。ちょっと前までFXpansionのGeistという超マイナーなサンプラーソフトを使ってDAWで打ち込んでたんですが(けっこう使いやすい)、もっと感覚的に使えるものがいいなと思ってMASCHINEに乗り換えてしまったので…。7INC TREE のPUNPEE氏の回を見たら、MPC2000XLでベーシックなパターンを作ってそれをそのままPro Toolsに録音、あとは波形を並べて抜き差しする感じで作ってて、「こういうのもありか〜」と思いました。7INCTREE(FRESH! で視聴可能)とRhythm Roulette(YouTube にあります)、Against the Clock(これもYouTube)などはビートメイカーには欠かせない番組なので、要チェックです。7INC TREEでは16FLIPことISSUGI 氏がMPC3000使ったりAbleton 使ったり色んな環境でビートメイクしていて、まじでその対応力に感銘を受けました。

 というわけで今年は何かしら自分個人の作品も出したいと思い、日々ビートを磨いておる次第であります。頑張ろう。


文:菅原靖之