支援世帯のうち約30%の子どもが家計を理由にサッカーを辞める相談を家族にしていた。貧困や社会格差による、子どものサッカー体験格差に関するアンケート調査結果を公開。
love.fútbol Japanは、今年支援をした36都道府県223世帯を対象に、アンケート調査を実施しました。
調査の結果、子どもがサッカーをするために「借入」をしたことがある世帯比率は35%に増加したなど、深刻な状況が明らかにされました。本調査では、日本で経済的な貧困や社会格差を理由に「サッカーをしたくてもできない子どもたち」を関する課題とニーズ、当事者の声をまとめています。
「子どもサッカー新学期応援事業」では、奨励金5万円の給付、用具寄贈、孤独に対する心の繋がりを育てるサッカー選手との交流を提供し、これまで3年間で、1000万円以上の奨励金を給付し、40都道府県子どもたち約1,100人に応援を届けてきました。
当会に支援を希望する子どもはこの2年間で3倍に増加し、今年300人を超えています。
この調査は、日本で子どもの体験格差問題が顕在化するなかで、本分野の課題とニーズを見える化し、日本スポーツ界と共有することで状況の改善の一助となるよう実施しました。
<調査結果のサマリー>
・ 世帯年収が200 万円以下の世帯は、全体の約60%を占めた。
・ 35%の世帯が、これまでに子どもがサッカーを始めるまたは続けるために借入をしたことがあると回答。昨年の30%から増加した。
・ 28%の世帯の子どもが、これまでに家計を心配してサッカーを辞めると家族や保護者に話した経験があると回答。
・ 半数を超える53%の世帯が「相談をしたいが相手がいない」と回答し、相談相手がいる世帯割合を超えた。
・ 82%の世帯が「子どものサッカーに対する支援活動は、食料や教育など生活インフラの支援と同じくらい必要」と回答した一方で、39%の世帯が「子どものサッカーに対して支援を求めることに抵抗があると回答。
・ 91%の世帯が、コロナ禍や物価高を理由に子どものスポーツ費用を削減。87%の世帯が、スポーツ費用を捻出するために「生活費を削った」、30%の世帯が「仕事を増やした」、19%の世帯が「借り入れをした」と回答。
・ 部活動の地域移行を認知している世帯において、100%の世帯が費用負担の増加に不安を感じている。
・ 奨励金が5万円ある場合、「部活」では88%、「クラブチーム」では67%がサッカーを半年間以上継続できると回答。
・ 100%の世帯(全223世帯)が、今後も今回のような支援を希望している。
・本事業を知った方法は、NPO経由が約85%を占める一方、サッカー界経由は少なく、広報面の協力体制に改善の余地が見られる。
一般的に、スポーツは贅沢や趣味として見られやすいため、子どもの貧困問題において、スポーツの支援は、教育や食等の生活インフラの支援に比べて優先度が下がる傾向にあります。結果として、ニーズはあっても予算化されにくい、活動が生まれづらい、担い手が少ない状況が続いています。一方で、当会に支援を求める子どもの人数は2年間で3倍に増加し、規模が拡大しています。それだけでなく、子どもがサッカーをするために借入している、子ども自身が家の経済状況を心配して諦める、相談をしたくても相手がいない状況など、苦しい内情が確認され、今まさに対応が必要とされています。
私たちは今もこの先も、子どもたちが夢を持てる社会を望みます。夢を持つことができるのは、それが許される環境にある人だけではありません。自分の言葉を受け止め、理解しようとしてくれる大勢の人たちの存在があってこそ、子どもたちは夢を語ることができます。
本報告書を通じて、子どもたちを支える仲間の輪が広がることを強く願います。
どうか力を貸してください。
ご支援のお願い
本活動は love.fútbol Japan に寄せられる寄付を原資に実施しています。
しかし、現状の財源では、今後申請されるすべての方を支援することができない状況です。
ひとりでも多くの子ども・ご家庭を応援できるよう、年内にサポーター500人を目指しています。現在410人。ご支援宜しくお願い申し上げます。
月額1000円から参加いただけます。
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