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Go for it! #18 高島地域雇用創造協議会 事業推進員 轆轤朝美(ろくろともみ)さん

2023.05.31 23:00

 高島地域雇用創造協議会の事業推進員として、市内事業所と求職者向け、創業希望者向けのセミナーの企画運営、サポート業務に携わる轆轤朝美(ろくろ ともみ)さんを訪ねた。


〈地域雇用創造〉は、地域の実情に応じた雇用の活性化を目指した業務を行い、厚労省の委託事業〈地域雇用活性化推進事業〉の採択を受け、2年半の期間業務を行っている。


協議会は、〈事業所の魅力向上・事業拡大の取り組み〉、〈人材育成の取り組み〉、〈就職促進の取り組み〉を軸に掲げ、セミナーの開催や就職フェア、UIJターン就労体験などを開催。



創業支援では、伴奏型の事業として創業希望者に事業を円滑に行うための情報提供や、販路開拓に関わるアドバイスなどを行なっている。(写真はジビエを安心安全な犬のおやつとしてプロデュースする「レミちゃんがつくるワンコのおやつ」)
偏食傾向の愛犬に、「命を無駄にせず安心安全で栄養価の高いものを」という想いから生まれた商品には、鹿肉の肺、気道、スジ、ハート、背ロースのほか、希少部位として有名なトライプも。



昨年度は、ICT(通信技術を活用したコミュニケーション)にも力を入れ、業界内で新進気鋭の経営陣を講師として高島へ招いた。


 「ありがたいことに、物理的にも予算的にも登壇が難しい方にも快く協力いただいて、素晴らしい講座をしていただいた一年でした。」と振り返る。


人口の少ない地域柄、講師と相談しながらニーズを見定めて開催。また、今後に活かすべく、轆轤さんも受講者として参加することもあるのだとか。


 また、轆轤さんの同僚によると、講師依頼先に協力を仰ぐ際には彼女の熱意に絆(ほだ)されるケースが割と多いのだとか。その熱量たるや、と実感の込もる一言が添えられると事務室は和やかな笑いが起こった。


そんな熱心な人柄を覗かせる轆轤さんは、昨年度に引き続いて力を入れたいのが「ICT活用のセミナー」と話す。


高島市の新卒者採用者減少の要因には、市外に出てしまった新卒者に採用情報が届かないだけでなく、求人内容が市外事業所の採用条件に及ばない現状がある。


 「高校では、キャリアデザインにも力を入れていて、その時点では高島で就職希望する子も多いですし、高島の子なら積極的に採用したいと想ってくださる企業も多いです。しかし、高校生は進学がほとんど。それならばと新卒を募集しても、市外へ就職してしまっているという状況に歯がゆさを感じる事業所も少なくありません。」


ネームバリュー、賃金、利便性、さまざまな条件を加味しながら行われる就職活動。


市外の企業に敵わない部分もある一方で、魅力ある企業が埋もれてしまっている、と轆轤さん。


 「主催した就職フェアに参加した中には、今後成長が見込まれる素敵な事業所も多いです。ある会社では、男性の育休が前向きに実践されているのに、それがアピールポイントという認識がなかったという発見もありました。」


課題解決の糸口は、情報発信であるものの、実情はそこに割く体制がとれず敬遠されるケースが多い。まずは仕組みを知り、発信を続けることを目指してほしいと話す。


 「今後、他の企業とどのように差別化していくか。それにはICTの活用と併せて、事業所の魅力ある体制作りや意識改革も必要ということをお伝えしていきたいです。」


国からの委託事業である以上、短期間で求められる一定の成果と、長期的に見据え提案したいことの狭間で、ジレンマも感じるという。


それは、これまで様々な仕事に携わってきた一個人としての想いと、事業推進員としてスタンスがあるなかで感じることだった。



轆轤さんは製造業に10年ほど勤めたのち、転職。事業推進員一年目は、とにかく様々な企業に当たっては担当者に教えを乞いながら仕事をする日々だったと振り返る。


ライフステージと折り合いをつけつつ、これまで総務の業務に従事していた轆轤さん。彼女はキャリアを積んでいくなかで悩み岐路に立つことになる。


 「育児休業復帰後に、必要以上にブランクを埋めようと必死になる状況が続いて。それが空回りし悪循環となったことがありました。仕事をする上で円滑な連携ができるよう、委ねることの大切さを教えていただいた経験でした。」


これまで培った経験や学びを無駄にすることなく、地域社会に役立っていきたいと轆轤さん。


 「週末は、注目している講師のセミナーやイベントに参加したり。マルシェに行って出店者にご挨拶したり。時間が許すなら、市内の企業を訪ね回りたいほど、もっと動きたいです。採用を見据えた広報として工場見学があったら楽しそうですよね。」と屈託のない笑顔で話す。


日々、アンテナを張りながら、新たに繋がりを作り展開していく。


高島地域雇用創造協議会では、今年度が委託事業の最終年度となる。今後も高島の活性化、雇用促進になるようさらにブラッシュアップした内容で各種事業を進めていきます。と意気込みを語った。


(取材・撮影/川島沙織)


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