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かほ

弱くなり続ける涙腺

2023.06.03 07:18

ほんまに、タイトル通りなんやけど、涙腺って弱くなり続けるんか?ひょっとして。

みんなそう?

ディスイズ人間?


グッとくる瞬間、ていうものはもちろん多々あるのやけど、最近こう、グッの後追いでグアァァァて、なんかくるのよ。あ、我慢しないと溢れる、涙が。ていうところまで高まる何かがあるのよ。

涙腺が弱まるほど語彙力はなくなるんかと思うほど酷い表現やけど、ほんまに。


しかもそれが一般的な「泣きどころ」から逸脱していることが多くて、どういうこと?て自分でびっくりする。

又吉さんが「夕暮れ時に電車の窓からファミレスが見えただけで泣ける」って言うてて、その時は、いや情緒!て思ったけど、なんかちょっと分かるわ、奥行き感じるもの見ると泣けるねんなぁ。そういうものはつまり、心の琴線に触れる何かをもっているはずなので、ちょっと記録したくなったのですね。はい。


泣きそうになったこと①

「車庫から夫を送り出す女性」

車で早朝通勤していると、女性が家の前に出て左右の確認をしていた。

車が近くまで来ていることを把握するや、車庫内の車を手で制する動きをしている。そして車が通り過ぎ、右折で出られるだけの車間を確保するや、腕を回して「行け」の合図を送った。黒のGolfはブォンと景気のいいエンジン音を立てながら勢いよく旅立っていった。あの女性はきっと、昨日もこの夫を送り出す動作をしていたんやろうなぁ、そして明日も、ニュースがお天気コーナーに入ることなんかをきっかけとして当たり前のように腰をあげ、夫を送り出す動作をしに、サンダルを突っ掛けて車庫の前に立つんやろうなぁ。などと考えていると例のグアァァァがやってきた。なんで?



泣きそうになったこと②

「はじめ人間ゴンのエンディングソング」

昔、「はじめ人間ゴン」というアニメがやっていて、原始時代の物語なんやけど、ゴロゴロ転がすタイプの大きな石のお金、直火で焼いたお肉、今全くアウトドア興味ないくせにあれなんやけど、ああいう自然と一体化した生き方というものには、昔から憧れがあった。(8歳の頃の夢はもののけ姫になることやった)

アニメの内容なんかは全く覚えていないのに、ゆったりとした曲調のエンディングソングは20年以上経った今も妙に頭に残っていて、何の気なしに、なんて曲やったかなと検索をかけてみた。結果、ベティブーカの歌う「楽してゴンゴン」という曲やと判明。

歌詞が載っていたので、ザッと読みながら久々に口ずさんでみる。


『むかしむかしマンモスがまだいた頃は

地球は天国か 夢見るパラダイスか

花は咲き乱れ 空は澄み渡り

陽射しは風に揺れ 大地は生きていた

何もないけど 悩みも見当たらなくて

着の身着のまま どうにかやってたらしい』


む……………っちゃくちゃええ歌詞……!

じーんとして、何度も反芻して味わってもおたわ。何もないけど、悩みも見当たらなくて、それでよかったのになぁ。そんなんでよかったのになぁぁ。現代人にこそ響くやつやったとは。



泣きそうになったこと③

「Tシャツ」

コンビニに立ち寄った際、コンビニの前で高校生と思われる男の子たちが、若者特有の声量で笑いながらアイスを食べていた。その中でも一際快活な話し方をする黒々と日焼けをした青年が「マジで金ないのになー!アイスってマジでうまいよなー!」と白い歯を輝かせながら話していた。彼の着ているTシャツにはでかでかと「のびしろしかないわっ」と書かれていた。それだけ。いやぁ、眩しかった…


泣きそうになったこと④

「久々に観たとなりのトトロ」

久々のトトロは、すごい衝撃やった。

これだけは泣きそうとかじゃなかった。

泣いた。ちゃんと泣いてた。

もう風景の絵だけでも全然もう、号泣しちゃうよ、あんなん。泣いちゃうよ。

アナログの柔らかさがあって、時代ならではの温かみがあってさぁー。

おばあちゃんの親切心とか、お父さんの懐の深さとか、お母さんのサツキちゃん対応の素晴らしさとか、学校の先生の大らかさとか、この歳になって分かる大人の偉大さが随所に見られてもう、それだけでもう満腹感あるけどさぁ、もうさぁ、なんといっても、カンタよ、泣かしにかかってくるのは。なんなんあいつ。可愛すぎてわたしゃぁボロ泣きしたぞ。サツキちゃんのこと気になりすぎて家を愚弄するという謎の暴挙。日本一下手な傘の貸し方。傘返しに来た時に褒められたの嬉しすぎての飛行機ぶぃーん。技ありの大人の自転車の漕ぎ方。大事なところはちゃんとやる素直さ!もう、少年の美しさが詰め込まれすぎていて、息も絶え絶えでしたわ…。ふぃー。

娘もトトロにはまってくれて嬉しかったが、後半メイちゃんにダメ出ししまくりで笑った。


「おばあちゃんの所で待ってなって言われたのに。あーほら、迷子だ、もう迷子だよほらー。」

「ちょ、一人で行っちゃだーめだよ。ちゃんと言ってから行かなきゃ。」

「走って行くとか無理でしょ!ちょっと、おいー!」


泣いて笑って、忙しかった。

やはり名作というものは何度も触れてみるものだなー。時を経てまた新鮮に感じられる時が来るものなんだろう。