野球アルゼンチン代表 選手名鑑
| 欧州と地元リーグで強化を図る
アルゼンチンは人口の6割がイタリア系のルーツを持つと言われており、欧州に所縁のある選手が多い。そのため代表選手ともなるとシーズンは欧州でプレイする選手が多い。それに加え2017年に地元アルゼンチンに全国リーグ"LAB"が発足。国土の広いアルゼンチンではそれまで地域リーグが中心だったが、北部を中心とした選抜チームによる全国リーグが誕生した。LABがウィンターリーグ的な役割を果たし、今後アルゼンチン代表の増々の成長が期待できそうだ。2026年WBCの予選には招待されなかったが、2024年南米選手権では予選に出場するブラジルを2度破っており、予選に出場して然るべき代表チームの1つだろう。
ルーカス・ラモン(SP/ポパイ・デ・サルタ)Baseball-Reference
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、'16,’18,’22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。'22年WBC予選ではパキスタン戦に先発し6回2失点で同国初のWBC予選勝利をもたらした。'22,'24年と南米選手権の決勝ブラジル戦に2度先発を任されるなど信頼は厚い。
ケビン・リエロ(SP,RP/DAOMブエノスアイレス)Baseball-Reference
’22年WBC予選、'24年南米選手権アルゼンチン代表。イタリアの下部リーグやセリエAの中堅チームでプレイした後、'24年前半はドイツ・シュトゥットガルトに加入。15試合に先発登板した。'24年南米選手権ではブラジル戦2試合を含む計5回に登板し失点ゼロと活躍した。
ホアン・ボラス(SP/ファルコンズ・デ・コルドバ)
’22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。’22年の南米選手権では17歳でフル代表デビュー。'24年の南米選手権では、準決勝を含むペルー戦2試合に登板。合計8回を無失点とほぼ完ぺきに抑えた。国内リーグでは暴投が多いものの、高い奪三振率で好成績をマークしている。
ルーカス・ウザル(SP/DAOMブエノスアイレス)
'24年南米選手権アルゼンチン代表。’24年南米選手権ではチリ戦に先発登板。5回を3安打1失点に抑え勝利投手になった。同年6月のブラジルとの親善試合でもリリーフ登板。3回1/3で自責ゼロと、2024年南米相手では高いパフォーマンスを披露している。
フランコ・ペレス(SP/パトリオッツ・デ・ブエノスアイレス)
’22年WBC予選、’22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。'22年WBCではパキスタン戦とニカラグア戦に登板。相手が追い上げムードの流れを止めたい場面で起用された。'22年の南米選手権でもブラジル相手に5回1/3を3失点と活躍を見せた。
イェニエル・カノ(RP/ボルチモア・オリオールズ)Baseball-Reference Fangraphs Baseball-Savant
’15年Premier12キューバ代表。’18年にアルゼンチンへ渡ったキューバ人コーチの元へ師事した。トレーニングの結果ツインズと契約。’22年にメジャーデビュー。アルゼンチンの永住権を保有しており、本人も反政府姿勢のFEPCUBEに参加しており、”アロザレナ”のWBC参加もあり得そう。
ミゲル・ガルシア(RP/ファルコンズ・デ・コルドバ)Baseball-Reference
'19年パンアメリカン競技大会、'15,’18,'24年南米選手権アルゼンチン代表。若い頃にマイナーのルーキーリーグを経験。国内リーグでは’23年,’24年と好成績を収めている。K/BBが非常に優秀だったが、'24年南米選手権では制球がバラつき本領発揮とならなかった。
フェデリコ・ロブレス(RP/フォルティトュード・ボローニャ(ITA))Baseball-Reference
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、'15,'16,’18,’22年南米選手権アルゼンチン代表。'22年WBCではニュージーランド戦に先発し7回1失点の活躍。2021年からイタリアでプレイし。2023年強豪ボローニャへの移籍を機にリリーフに専念。マティアス・ロブレスは弟。
ラモン・バウティスタ(RP/ポパイ・デ・サルタ)
'24年南米選手権アルゼンチン代表。'24年南米選手権ではブラジルとの2戦を含む3試合に登板。計5回1/3を無安打失点ゼロに抑え、裏MVP的な活躍を見せた。所属チームではロングリリーフ的な登板が多い。
マルコ・カルーソ(SP/アリアス・デ・コルドバ)
'24年南米選手権アルゼンチン代表。南米選手権では1次Rのブラジル戦にリリーフ登板。ペドロ奥田などマイナー経験組相手に打者3人で抑えた。まだ若く今後の成長に期待。
トーマス・アルマラズ(SP,RP/ポパイ・デ・サルタ)
'24年南米選手権アルゼンチン代表。アンダー世代では野手として代表入りしてきたが、2024年南米選手権では投手としてフル代表デビュー。ただ、国内リーグでの投手成績は苦戦中で2024年は7試合で防御率5.14。グラウンドボーラータイプ。制球改善が課題。
ルーカス・レメンテリア(RP/カショーロス・デ・サルタ)
’22年WBC予選、'24年南米選手権アルゼンチン代表。'22年WBC予選では登板がなかったが、メンバーの中で最年少だった若手のサウスポーは、’24年南米選手権1次Rブラジル戦で1回無失点と貢献。但し同年シーズンの国内リーグでは8試合で防御率6.87と打ち込まれた。
ホセ・メンドーサ(RP/DAOMブエノスアイレス)Baseball-Reference
’22年WBC予選アルゼンチン代表。ベネズエラ出身。若い頃にエンゼルスと契約しルーキーリーグまでプレイ。マイナーリリース後は欧州に渡り、2021年にクロアチアで最優秀投手に選ばれた後、2022年にはドイツでプレイ。'22年WBC予選では計4回1/3で防御率6.23だった。
ルーカス・ナカンダカレ(C/パトリオッツ・デ・ブエノスアイレス)Baseball-Reference
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、’11,'12,'13,'15,'16,’18,'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。’22年WBCでは正捕手を務めた。若い頃レイズと契約しベネズエラサマーリーグでプレイした経験あり。現在は母国リーグでプレイ。
ホセ・ゲレス(C/ポパイ・デ・サルタ)
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。'22年のWBC予選では正捕手ナカンダカレの控え捕手として出場。パナマ戦ではスタメン出場もした。打率は低いが長打力はある。捕手にしては足もあるので招集する理由が分かり易い。
フェリペ・ヴィラサンティ(C/パトリオッツ・デ・ブエノスアイレス)
'23年U-18W杯予選アルゼンチン代表。若手ながら所属チームでは正捕手として活躍。アメリカの大学かプロ入りを希望している。2023年シーズンはその打力を如何なく発揮していたが、2024年はシーズンが進むにつれ下位に打順を落とした。
ヤシント・シプリオータ(1B,2B/DAOMブエノスアイレス)Baseball-Reference
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、'15,’18,'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。マイナーをリリース後今は無き独立リーグ”United League”でプレイ。代表ではファーストだが、チームではセカンドのレギュラーで打撃で無双している。姉はモデルで女優。
エドゥアルド・ザーブリゲン(1B,3B/ファルコンズ・デ・コルドバ)
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、'13,'15,'16,’18,'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。J・シプリオータ、S・ガルシアらと共に長く代表を支えるベテラン選手。’24年南米選手権では全て代打で出場も3打席1出塁。長打よりかは出塁タイプ。
エセキエル・タレヴィ(2B,SS/パドーヴァBSC(ITA))Baseball-Reference
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、'13,’18,'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。代表ではセカンドのレギュラーだが、所属チームでは不動のショート。A・ティセラにポジションを譲っている。2021年からイタリアでプレイしている。
マティアス・ペレス(2B,3B/ポパイ・デ・サルタ)Baseball-Reference
’23年パンアメリカン競技大会予選アルゼンチン代表。サッカーよりも野球が好きでアメリカ留学もあまり試合には出場できず、現在は母国でプレイ。アレックス・ブレグマンのファン。
ニコラス・アルバラード(3B,SS/カショーロス・デ・サルタ)
’22年WBC予選、'22年南米選手権アルゼンチン代表。E・タレヴィと同様、所属チームでは不動のショートとしてプレイも、アルゼンチン代表ではA・ティセラにポジションを譲り、サードのレギュラーとしてプレイ。母国リーグではハイアベレージをマーク。
ホアン・クルーズ・マ―テイン(3B,1B/ファルコンズ・デ・コルドバ)Baseball-Reference
'24年南米選手権アルゼンチン代表。イタリア系アルゼンチン選手。ドミニカサマーリーグやイタリア、ドイツ、南アフリカなど世界各国でプレイし、日本にもBCリーグのトライアウトを受けに来日した。南米選手権ではDHや代打の切り札で出場も、結果は残せず。
アグスティン・ティセラ(SS/サヴィニー・シュル・オルジュ・ライオンズ(FRA))
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、’18,'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。イタリア系アルゼンチン人選手。レベルアップを求めて欧州を主戦場として定め、'16~'18までイタリア 、’20~'23年はドイツ、2024年はフランスでプレイ。
セバスティアン・ガルシア(CF/ホットサンド・マチェラータ(ITA))Baseball-Reference
’22年WBC予選、'19年パンアメリカン競技大会、'11,'12,'13,'15,'16,’18,'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。長年に渡りアルゼンチン代表のセンターを守っているレジェンド選手。出塁率が高く、所属するイタリアのチームではリードオフマンを務めている。
マティアス・ロブレス(CF,RF/ファルコンズ・デ・コルドバ)Baseball-Reference
’22年WBC予選、'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。同じ代表で投手のフェデリコ・ロブレスは弟。イタリアやドイツなど欧州を主戦場としており、2024年シーズン前半はイタリア・セリエAのレッジョ・エミリアで主力としてプレイ。後半は地元コルドバでプレイ。
マヌック・カディス(RF,LF/レイク・エリエ・カレッジ(NCAA))Baseball-Reference
'24年南米選手権アルゼンチン代表。同じアルゼンチン代表のジィンバは双子の兄弟。大学ではジィンバほど試合に出られていないが、'24年南米選手権では揃って主力として出場。両翼を守った。
ジュリアン・ペドルーソ(RF,LF/DAOMブエノスアイレス)Baseball-Reference
’22年WBC予選アルゼンチン代表。アメリカの大学(NCAA1部)を卒業後、アルゼンチン国内でプレイ。’22年WBC予選開幕スタメンながらもヒットが出ず、3試合目から控えに回ったが、'23、'24年国内リーグでは長打率5割後半,OPSも1超えをマークする強打者。
ジィンバ・カデイス(LF,SS,3B/レイク・エリエ・カレッジ(NCAA))Baseball-Reference
'24年南米選手権アルゼンチン代表。'24年6月のブラジルとの親善試合では2試合で9打数6安打の活躍。但し長打はゼロ。所属するNCAA2部の大学の試合でも単打の割合が多く、出塁率が売りのリードオフマンタイプ。同じアルゼンチン代表のマヌックは双子の兄弟。
ペドロ・アグスティン・フィゲーラス(LF,SS/パトリオッツ・デ・ブエノスアイレス)
'22年WBC予選、'22,'24年南米選手権アルゼンチン代表。小柄だが’24年の南米選手権ではクリーンナップを担うなど攻撃面で期待がかかる。
トマス・ブレッサン(C,CF/ファルコンズ・デ・コルドバ)
’22年南米選手権アルゼンチン代表。国内リーグでは主にキャッチャーを務める。U23W杯には22,23年と2年連続で選出されているが、世界の舞台で打撃や盗塁阻止に苦戦している。