スイーツと低カロリー
固定的なイメージについてふと。
よく言われることなのだけれど。
おかん、女性らしい、女子力、女子●●。
つい、SNS上の広告、ラジオCM、テレビ番組などこんな言葉に反応してしまう自分がいる。
それら「性別」を冠した言葉にまつわる事象についても、え、そうか?と声をあげたくなってしまう案件もちらほらあったりする。
●おやじとおばん
おかん、の対義語として「おやじ」があるからよいではないか、という見方もあるかもしれないな。だけれど、そもそもそれらの言葉が意味するところはあまりに固定化されている印象も受ける。
「おやじ」は、カミナリオヤジ、という言葉にいいあらわせるように「頑固」とか「厳しい」とか、いきなり怒鳴る、みたいなイメージ。
最近では「オヤジくさい」「おやじギャグ」など少し貶める表現にも使われることがある。これに対しては「おばんくさい」(ちょっと昭和が入っているかな)って言うこともあるやん、揶揄と愛情半ばで言われる「おかんメール(変換ミスや、過剰変換をされたまま送られるメールやラインのメッセージ」なんて言葉もあるやん、という見方があるのかもしれない。
でもどちらも固定化されているかな、という意味では同じじゃないだろうか。
あるいは印象的には「おやじ」がつくほうが、どちらかというと、ユーモアの膜につつんで、普段言えない否定的なツッコミをある意味、こころの声として言い表しているのかもしれない。
おかんには懐かしみや母親への愛も感じられる。おばん、は、「まったくしょうがないなあもう」的な、嘲笑と見守りの姿勢が見え隠れする、と感じるのはある種の「身贔屓」なのだろうか。
●女性はスイーツと低カロリー
よくメディアでは「女性も好きそうな!」という言葉で料理や食材が言い表される。たいてい、その先にはスイーツやカロリー控えめの一品、たっぷり野菜の●●がある。
これも固定化したイメージだなあと思う。
現に、私の周りの女性のなかには、スイーツはさほど好まず「白飯も揚げ物も、がっつりしっかり食べてパワーアップ」することを優先する方が多い。
スイーツよりアルコールでしょ、という方ももちろんいる。
また、「さいきんメタボでさー」という男性陣のなかには、ごはん少なめ、揚げ物は控えている、という方もいるだろうし、下戸さんもいる。
それにしても、スイーツと低カロリーは対極にある印象。
それも女性の「わたし、こうしたい!こうありたい」という気持ちと、押し付けられた役割の狭間でもやもやすることの象徴なのかしらん、などと言ったらこじつけすぎだろうか。
そして。
だからなんなのだ。世界はまわるし、日常は平和に過ぎていくし、こまって明日生きていけない人もいないという考え方もある。
だけれど、やっぱりどんなことも「ん?これって?」といちど立ち止まり、当たり前でスルーされがちなことの「後ろ側の気配」をさぐろうとする、「うたぐり深い私」であることも大切だなと思う。