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私たちの旅のマイルストーン

2018.06.24 05:10

創刊50周年記念号にようこそ。1960年代、勢力転換期の真っただ中に生まれた小さな独立系雑誌、リサージェンス誌は単に半世紀を迎えただけでなく、新しい考え方や新しい暮らしの創造性を刺激する一助となってきました。そのためお祝いすることがたくさんあります。

 1966年夏、英国は他の国々と同じく、興奮の時期にありました。タイム誌がちょうど、「スウィンギング・ロンドン (Swinging London)」という語を作った時期です。新たな感覚の芸術的創造性を総じてそう呼んだのですが、変化は幅広く、政治、産業、農業、教育、技術、社会的関係、男女の関係など国中の生活の様々な面にわたりました。

 より広い世界での課題もありました。古い帝国が終焉を迎え新しい国家が生まれていました。北アメリカから南アフリカへ人種間の機会均等や公民権に対する声が上がりました。工業化の過程やこれまでにない大量消費が引き起こす自然界への脅威に、一握りの思想家が警鐘を鳴らし始めました。常に核による破滅の脅威を伴う冷戦の分断を背景に、ベトナム戦争が一層影を落としていました。

 このような背景の中でリサージェンス誌は創刊されました。初期には平和運動にかなり重きを置いていましたが、当初からより幅広い全体論的な世界観を持ち、右対左という従来の駆け引きや「大きいほど良い」という考えを避け、社会的正義や精神性、芸術、そして自然やより大きな環境との関係を取り上げてきました。

 創刊以降、本誌はその拠点を都市から田舎へと移しました。当初はウェールズでしたが、その後ノース・デヴォンに移りました。今日の新しい技術によりコミュニケーションと高品質の印刷が可能になりましたが、創設者たちはそれが可能だとはまず思いもよらなかったことでしょう。途中、合併と提携がありました。特に代替技術の「アンダーカレント誌 (Undercurrents)」と、最近では「エコロジスト誌 (Ecologist)」で、現在は慈善団体「リサージェンス・トラスト (The Resurgence Trust)」の一部となっています。

 リサージェンス誌は多くの手によって作られています。とは言え一部は特筆すべき人物によって形作られています。それには創刊者兼編集者のジョン・パップワース (John Papworth)、40年以上にわたり私たちの試みを体現してきたサティシュ・クマール(当初は妻のジューン・ミッシェル (June Mitchell)と共同編集者の立場にいました)。サティシュは今年後半、80歳で編集プロセスから手を引くつもりであることを表明していますが、これまでのように、より幅広い仕事を精力的に継続していくだろうことは想像に難くありません。

 リサージェンス誌は、何十年にもわたり何万人もの人々の支援のおかげで継続し成功を収めてきました。寄稿者、広告主、寛大な寄付者、リサージェンス誌理事、スタッフ、そして中でも読者の皆様。全ての人々に感謝いたします。

 この号では本紙の歴史にいくらか誌面を割いていますが、将来にも目を向けています。リサージェンス誌は刷新の過程にあり、今後数カ月で従来の強みと新しいデジタルプラットフォームを組合せた雑誌を構築する予定です。けれども本質においてリサージェンス誌のメッセージは依然として極めて重要です。皆様のご支援により、私たちは未来に目を向けていきます。

グレッグ・ニール

編集者

A Milestone on Our Journey • Greg Neale

Reflections on 50 years of Resurgence

296: May/Jun 2016