”薔薇大戟“について
日本語の記事がほとんどなく混乱しているようなのでまとめておきます。
本種の基本情報は以下のとおり。
学名: Euphorbia rapulum
中国語名: 小萝卜大戟(xiao-luo-bo-da-ji)
分布: 800〜2000m 中央アジア(カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)、新疆ウイグル自治区北部
成長/開花期: 4〜6月
記載: Bulletin de la Société impériale des naturalistes de Moscou, 15: 448 (1842)
シノニム: Tithymalus rapulum
流通名: 薔薇大戟
特徴: 草丈は10〜30cm、灰褐色でやや紫色がかかる。球茎は球状かやや縦長で、稀に分岐する。茎は太さ3〜7mmほどで、頂端付近で多数に分岐する。葉は互生、基部では葉柄は短く、伸長した部位では無い。総苞片は袋状で外側は光沢があり、内部は毛深い。
乾燥した砂〜砂利で構成された斜面に自生する。
栽培はやや難しそうで、朝晩に霧がかかるが、年間降雨量はごく少ないエリアに自生する。つまり夜〜明け方はしっとりと湿り(ビチャビチャではない)、日中は乾く程度がちょうど良いと思われる。
用土は砂質のものが適していると考え、基部〜根の通気性を保つことが根腐れ防止に良い。
温度は、例えば新疆であれば年間平均気温が10度弱程度のため、耐暑性は低いと思われる。日本では高山植物的な栽培法が適しているかもしれない。USDA HARDINESS ZONEは9b〜10bとされているので耐寒性は高そうだが、新疆などでは降雪があるため凍結/霜対策は必須と思われる。
日照は強い方が良さそうだが、高温時期の直射日光では葉焼けすると思うので、夏場は明るい日陰で管理すると良さそう。
Euphorbiaなので挿し木はできるが、葉挿しができるかどうかはわからない(可能とされるサイトもヒットしたが未検証)
球茎が分岐したら株分けも可能だろう。
実生が最も効率的だが、発芽条件は不明。雌雄はおそらく同株。種子は場合によっては一度凍結しないと発芽しない可能性がある。
引用元:
引用した画像(1枚目、4枚目)のように、流通名の由来となったであろう薔薇のような状態(よくヤフオクやメルカリの見本画像で使われるアレ)は芽が出て展開し始めた初期のものと思われる。
成長とともに草丈が増し、雑草感が出てくる。自生地では球茎は土中にあるようで、おそらく地上に露出した状態はあまり良く無いだろう。
ひとまずこんな感じで、あちこちの色々な文献やサイトを読み漁って総合的にまとめてみました。手元に数株残しているので、実際に栽培した結果なども報告できればと思います。