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生涯の美と健康のパートナー ゆえりゃん

いくつになったって、どんな時だってキレイでいたい!

2023.06.09 02:13

当サロンのお客様には、シニアのお客様が多くいらっしゃいます。


よく口にされるのは、「私が車に乗れるまでは通うから」というお言葉。


嬉しい反面、ずっと、どこかもどかしさを抱えてきました。



ゆえりゃんのキャッチフレーズは「生涯の美と健康のパートナー」


生涯って言っているのに、「ご自分で外出できなくなったら、さようなら。」では、嘘ばっかり!


実際、これまでさまざまな理由で外出できなくなり、サロンを去っていかれたお客様がいらっしゃいます。


出産して子供がいるため外出できなくなった方

ガンの手術後、家に引きこもるようになった方

脱毛症で髪が抜けて、見た目を気にして外出できなくなった方

親の介護のため仕事をやめ、自由になるお金がなくなった方

など‥



現在、「ソシオエステティック」という病院や福祉施設向けのエステティックを勉強しています。


ソシオエステティックとは、人道的・福祉的観点から精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている方に対し、医療や福祉の知識に基づいて行う総合的なエステティックです。


エステティックの施術によって、人を癒し、励まし、QOL(生活の質)の向上に寄与し、その人が本来の自分を取り戻すために支援することを目的とします。


その活動領域は幅広く、緩和ケア病棟、ガンのアピアレンス外来、人工透析病棟、老人ホーム、障害者施設、女性保護施設、母子支援施設、就労支援施設など多岐に渡ります。


この一年間、日本エステティック協会の主催する「CODES  JAPON  ソシオエステティシャン養成講座」で医療や福祉、心理学などの講義を受けて来ました。


そして、講師同行による現場実習が終了し、これからインターンシップが始まります。


そのインターンシップが終了すれば、ディプロマを取得し、晴れてソシオエステティシャンを名乗ることができるのですが、「20日以上、60人以上」というとても厳しい基準があり、まだまだ遠い道のりです。


特に、わたしの住んでいる中部地区は、まだソシオエステティシャンが少なく、ほとんど認知されてされていないため、インターンシップ先を開拓するのも一苦労。

個人では相手にしてもらえず、門前払いなんてこともしばしばです。


講座の初日、「茨の道へようこそ」と言われた意味をすでに感じ始めています。



想いだけは強くて、早く仕事がしたいのに、働ける場所がない。

そんな宙ぶらりん状態。



そこで、中途半端なわたしでもできることがあるのではないかと考えました。


かねがね、エステティックの対象である健康な方とソシオエステティックの対象である社会的困難を抱えていらっしゃる方(と認定される方)との間に大きな溝があるのではと思っていました。


特に、わたしが住んでいる地域は田舎のため、持ち家率も高く、住む場所はあるため、何か家庭で問題を抱えていても表面化することは少なく感じます。

また、田舎ならではの世間体を気にする気質から、家庭の恥だと隠す傾向もあり、露呈する時は事件にまで行ってしまうケースがあります。


実際、ご近所で重度の障害のあるお子さん(と言っても大人)が家にいらっしゃるのに、救急車が来るまで知らなかったなんてこともありました。


病院に入院するまでもない、施設に入所するまでもない。

でも、困っている、悩んでいる、不安を抱えている‥


そんな方々が、ケアを受けながら、ちょっと困ったことを話せるような存在になれるのではないか?


そこで、その大きな溝を埋めるために、わたしにできそうなこと、それが「訪問エステ」



わたしには、過去に悔やんでも悔やみきれない経験があります。


あるお客様から、お母様がうつ病の気があると聞いていました。


それは、お婆様(お母様の実母)がお亡くなりになり、その喪失感から癒えることもなく、お父様(お母様の夫)が脳梗塞で半身不随になられ、自宅での介護が始まりました。


一家の大黒柱が病気になり、その心労は相当なものだったと思います。


わたしはご自宅に化粧品をお届けする時、何度かお目にかかったことがあるのですが、いつもしっかりとメイクをされ、髪もセットされ、とてもおキレイな方でした。


しかし、その出来事を機に、メイクをするのも、髪をセットするのも億劫になり、「こんなにみすぼらしくなっちゃって」と、よくこぼしていたそうです。


そこで、お客様が「お金を出してあげるから、エステにでも行ったら?」と何度もおすすめしてくださったそうですが、家から出たがらなかったそうです。



そして、忘れもしないあの日。

「母が亡くなったので、明日のエステはお休みにさせてください。」というメール

自死でした。



もし、わたしがお宅を訪問してエステができていたら‥

もし、その辛いお気持ちを聞いて差し上げれたら‥

もし、異変にいち早く気づいて、病院につなげることができていたら‥


もし‥もし‥

考えても仕方のないことばかりを考えてしまいます。



先日、テレビで女性の引きこもりが急増していることを知りました。


男性は、会社を辞めるため、引きこもった時、明らかになりやすいけれど、女性の場合、結婚、出産、育児、介護を機に仕事を辞め(辞めさせられ)、そのまま引きこもりになることが多いため、認知されにくいそうです。


そんな社会から断絶され、家に取り残された方々に寄り添うことも、立派なソシオエステティシャンの仕事だと思います。



シニアのお客様に「今度、訪問エステを始めようと思います。」とお伝えしたら

「まぁ、嬉しい!歳をとる楽しみがまたできたわ。」と、お喜びいただけました。