KAWASAKI Z650LTD/Z650SR 1979
KAWASAKI Z650LTD 1979
輸出向けだったZ650SRを国内向けにリリ−ス。基本スペックはそのままに、リアタイヤを16→18インチに変更して純粋なロ−ドスポ−ツモデルに仕上げている。しかし、'78 年モデルまでのリアに向かってテ−ルアップさせたシ−トカウルを持った“ザッパ−”を見慣れたユ−ザ−には、心なしか寂しげに映ったに違いない。750ccをブチ抜く軽快感を伴ったスタイルは既に無くなっていた。Z550FXが、ザッパ−の後継モデルとして控えていたからだ。モデルチェンジの意義の是非を問うのでは無く、こうした継投が行われる度に、時としてこの様な珍しいモデルが生まれる事にもユ−ザ−としては注目していたい。
KAWASAKI Z650SR 1979
Z650(1976y) をベ−スモデルに、リアに5.00-16の小径ワイドタイヤを与え、ハイリフトされたハンドルとやや前方配置されたステップで一種独特なスタイルを作り上げている。典型的なアメリカンと言う訳でもなく、当然ヨ−ロピアンスポ−ツとはかけ離れたものだ。特徴的なのは、ダウンチュ−ブ前方でクロスさせたエキパイのレイアウト。2/3 番のエキパイを左に取り回し、4 番シリンダ−からそれをくぐり抜ける様に 1番と結合させた 4into2のエキゾ−ストシステム。排気干渉を避け、中低速域の出力向上が図られている。事実、Z650より2ps ダウンされた出力値ながら、6000rpm を越える辺りからは獰猛とも言える加速感を伴ったパワ−が得られ、0→400mを13秒を切るデ−タ−も記録。バイブレ−ションを起こすことなくレッドゾ−ンの9000rpmを軽々とクリア−する。実測120マイル(190km/h) をマ−クする実力は、アメリカンモデルとは言い難い。メ−カ−側では“アメリカンスポ−ツ”とうたってはいるが、表現的には素直に頷けるものでは無い。発売は輸出のみで、'78年初旬からと言うから、その後に大ヒットとなるLTDの原型を成したモデルと言えそう。