貧乏で虚弱でブ男だった 2018.06.25 01:55 「わたしは金がなかったし、虚弱だったし、顔立ちがかわいらしいわけでもなかったし、人気もなかった。慢性的に咳がでたし、臆病者だったし、くさかった。……成功者などに、とうていなれそうにもない、といった確信がわたしの心にしたたかにしみこんだため、おとなになってからずっと後までも、わたしの行動はその影響を受けたくらいだ。三十歳になるまでは、わたしはどんな大事業を思い立っても、それはきっと失敗に終わる、という仮定、いやそれどころか、私の寿命はあと2,3年しかもたないだろう、という見通しのもとに、いつも自分の生活設計を考えていたのだった」 ジョージ・オーウェル:『喜びはいかばかり』 ※8歳の時、上流階級の子弟を収容する寄宿制の私立予備校セント・シプリアン校へ入れられて……。だからこそ、彼は全体主義的ディストピアの『1984』を描くことができたんだなんて、ワケ知り顔で安易に言わないでくれ。こういう鬱屈を持たなくて過ごしたのは、ほんの一握りだと思う。