老子『空っぽ』こそ役に立つ
2018.06.28 09:30
遊園地の 大きな観覧車を想像してくれたまえ。
たくさんのスポークが 輪の中心の轂(こしき)から出ているが
この中心の轂(こしき)は空っぽだ。
だからそれは 数々のスポークを受け止め、
大きな観覧車を動かす軸になっている。
粘土をこねっくって ひとつの器をつくるんだが、
器は、かならず 中がくりぬかれて空(うつろ)になっている。
この空(うつろ)の部分があってはじめて
器は役に立つ。
中がつまっていたら
何の役にも立ちやしない。
同じように、
どの家にも部屋があって
その部屋は、うつろな空間だ。
もし部屋が空(から)でなくて
ぎっしりつまっていたら
まるっきり使いものにならん。
うつろで空(あ)いていること、
それが家の有用性なのだ。
これで分かるように
私たちは物が役立つと思うけれど
じつは物の内側の、
何もない虚(きょ)のスペースこそ
本当に役に立っているのだ。
老子『タオ』より抜粋