私は待ちわびていた
空から見るその光景は全てが無かったことのようにしたいようだった。
品のある街並みは静かに波に飲まれていった。
私はただただ、それを静かに見つめるしかなかった。
思い出すのは、一本の木の下での幸せな気持ちだった。
降り立った場所は、かつていた所とは全然違って木々が少なく、寂しかった。
自分の気持ちが寂しかったからかもしれない。
以前はすぐに手に入れる事が出来たのに、どこを探しても、欲しいものは見当たらなかった。
誰かが持っていると思って、人を騙したりしたような気もするけれど、結局、それも自分の欲しいものではなかった。
何も無くなってしまった。
何も無くなってしまった。
でも、生きるしかなかった。
生きるために、必要だと思うものを探し続けた。
絶対、どこかにあるという希望は捨てなかった。
しかし、人と違う事は許されなかった。
逃げて逃げて逃げた。
逃げるのが嫌になり、戦ってボロボロになって今に至る。
愛は、諸刃の剣として使う時代は終わった。
愛は、パズルのピースのように、宇宙と大地を繋ぐために使う。
無いと思っていた事は、有るということに気付いていた事だったし、
新しいことが大好きだと思っていたのは、新しいのではなく、知っている喜びを取り戻す事だった。
やっとチャンスがきた。
チャンス到来。
一発逆転のチャンスが到来。
やっと愛の時代に入れるのだ。
愛って濃厚だけど、シンプルでアッサリ。
ものすごい勢いで矛盾している。
ただハッキリしているのは、1人だ、孤独だと思っていたのは、周りに誰かがいてくれることがどこかでわかっていたからで。
人間を生きるって、矛盾を生きること。
何がしたいのかわからないって悩むことは、何かをしたいために生まれて来てる事をどこかでわかっているからで。
そして、私はこの時が来るのを待ちわびていたのだなぁと、今朝、ぼんやりとした過去と共に思い出したのです。