認知症のTVを見て感じたこと
お正月に録画しておいたNHKのドキュメンタリー。
認知症の回を続けて見てみました。
私の両親は2人とも70代。幸いなことにどちらも元気ですが、さすがにここ数年は肥満や関節の痛み等が気になっているようです。
今は夫婦2人だけで暮らしているので、身体の心配だけじゃなく、認知症にはなりたくない、と、健康本読んだり、油や水に気を使ったり・・・
私は離れたところにいるので、漠然とした不安と中途半端な覚悟の日々です。
とりあえず、「認知症」という病気の現状と予防法をざっくり知ることが出来ました。
・現在、65歳以上の4人に1人が認知症(予備軍も含める)
・予備軍とは・・・今、「MCI」(軽度認知障害)と診断される中高年が多い。これは、正常と認知症の境界線にいる人たち。
・現在、既存の薬として、シロスタゾール(脳梗塞の再発防止薬)とレベチラセタム(てんかんの治療薬)が認知症予防に効果があるというデータが出ている。
・ワシントン大学の研究によると、ストレスホルモンが多いと、アルツハイマーの、行動・心理症状(徘徊や暴力など)が起きやすい。
・この、ストレスホルモンを介護の力で減らせないか・・・という試みがなされている。
・その1つが「ユマニチュード」というフランスで考案された手法。
・ユマニチュードは「見つめる」「話しかける」「触れる」「寝たきりにしない」の4つを基本としている。
・要は、その人の人格を尊重するということ。
(↑このユマニチュードはかなり興味深い内容でした!詳しく知りたい方は検索してみて下さい。いっぱい出てきます!)
ここから私見
番組内で、この手法を学んだ介護福祉士さんが「人と人、としての関係作りが大事なのかな、とすごく感じました」と言っていて・・・
これって認知症ケアだけじゃなくてすべての関わり合いに通じることだな、と強く思いました。
要は、立場や年齢や性別ではなく、
「人と人」或いは「個と個」
ということ。
逆説的に、認知症という症状が起こる原因の一つに、こうした関わり合いの希薄さ、があるのでは?
認知症だけではなく、他の心因性の疾患の原因にも・・・
人と人が関わり合うって、ものすごく面倒で、ぶつかり合いや駆け引きもあって、関係の誕生や破壊や再生もあって、とにかく、人生の喜びも悲しみもほぼ全部、人間関係!って思います。
濃厚な人間関係は、温かく優しくうるさく鬱陶しい。
それが懐かしく良かったなあ、と感じることもあるけれど、全体的に物凄い勢いで薄味傾向になってる、ということは、それが私達の潜在的な総意なのでしょう。
そうであるなら、私たちは「希薄な人間関係の中で感じるストレス」に耐えられる心身を目指さなければいけませんね。
ストレスに耐える、受けとめる、受け流す、忘れる・・・これらの能力は性格云々ではなく、トレーニング(というか考え方の癖づけ)でUPさせられるものです。
「~された」「~させられた」という考え方から1歩進んで、その時自分はどう思うのか、何故そう思うのか、に意識を向けていくと、すとん、と腑に落ちる瞬間があって、ストレスをストレスと感じるところから抜け出すことが出来ます。
(トレーニングですからすぐにこう出来るわけではないけれど、確実に上達します!)
そして、時には怖がらず他者とがっぷり組んでみる。気づかないふりとか遠巻きに眺めるとかしないで、怒られたら謝ればいいじゃん!の気持ちで向かってみる。
・・・今の自分に足りないのはこのあたりだな~。書きながら反省してますヽ(;´Д`)ノ
ところで、番組の中で研究者の1人が
「認知症の人は、記憶力は低下しても、決して生きる喜びは忘れていない」
と言っていました。
記憶が曖昧になるということは、感情面も同じように低下するのだろうと思いがちですが、
気持ちのありようは(例えすぐに忘れてしまっても)その瞬間は真実だということですよね。
認知症・・・怖いけれど、生活習慣で予防は可能だそうですし、感性は残る、ということが一筋の救いになるような気がします。