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今日も何かを間違えた

漫画が僕に教えたこと

2018.06.28 11:52

父は本がとても好きで、広くも無い家に本棚が たくさんあった。


 小説やエッセイなども多くあったのだが、 

とりわけ多かったのは漫画である。

 全盛期は2000冊以上の漫画が家にあったと思う。

 僕は漫画に囲まれ、漫画を読んで育ったと言っても過言ではない。 

ここでは僕が影響を受けた漫画を紹介したい。


 ①【大甲子園】室戸義塾高校戦 犬飼知三郎

 家にはドカベンが全シリーズ揃っており、

中でも僕は 犬飼知三郎が好きだった。

 弱小高校を頭脳派エースが引っ張るという流れが もうたまらない。

圧倒的に総合力で明訓高校に 劣るのだが、

飄々と淡々と抑えていく知三郎の 魅力はすさまじい。

山田が里中と知三郎を比較して、 「情熱を内に秘めるのが知三郎」と評している。 

それを読んで僕は、情熱は表に出すものではなく 

内で燃やすものなのだ、と思い以降陰キャラの道を

 歩んでいくこととなる。

 また、9回室戸義塾1点ビハインドの場面で

殺気を 放っている知三郎もとても格好良い。 

以降僕はクールキャラがクールを捨てるシーンフェチとなる。 


②【スラムダンク】山王戦 

山王戦は10回以上読み返したが、

 読み返すたびにいいなぁと思う箇所が増えていく。

 小さい頃はリョータと花道のアリウープや

 ミッチーのスリーとかに目がいきがちだった。

 歳を重ねると、桜木のダンコたる決意の下りや

 河田とのマッチアップにグッとくるようになった。 

最近読んだ際には、みんなの念をもらった桜木が ヤマオーは俺が倒すと言い、

その後の これで勝つしかなくなったぜ と言い放つ

一連の流れに泣きそうになった。

 特に念をもらってから机に上がるまでの 

桜木の心情描写は非常に心に響く。 

読む度に何かを学ぶことができる。


 ③【幽遊白書】17巻

 幽遊白書は味方・敵ともに魅力的に描写されている。

 感情、気持ちを丁寧にさらっており

それぞれのキャラの 輪郭がくっきりと浮かび上がっている。

 中でもこの17巻はそれが顕著に現れている。 

仙水編終了から魔界編突入までがこの巻に描かれている。 

仙水編の登場人物のその後から

幽助・桑原・蔵馬・飛影が それぞれ別の方向に進んでいく

流れとなっており、 僕は幽遊白書のストーリーはほぼこの巻で終わったものと 考えている。 

それぞれの葛藤や切なさがひしひしと伝わってきて、 

「センチメンタリズム」を初めて感じたのがこの幽遊白書 17巻だ。

 その後僕はさまざまな本から

センチメンタリズムを拾ってきては どっぷり心まで浸りきり、

センチ酔いどれ男となった。


 僕は本が好きで、その原点は間違いなく漫画である。 

さまざまなことを教わったが、

しかしそれで僕が 立派になったかと聞かれれば

そんなことはなく、 クールぶったおセンチ野郎とあいなってしまった。

 何を間違えたのだろうか。

 まぁいいか。 

これでいいのだとえらい先生も言っていたし。