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試験的漆教室 木地制作1

2018.06.29 02:18

 教室で描いてもらった器のイメージ画を持ち帰り、木地の制作に入ります。

まずはイメージ画を基に図面を起こしてみます。

イメージ画を頼りに、こんな感じでしょうかね?

図面通りの形が正解ではないので、これとイメージ画を基に

形を起こしていきます。

分厚いお椀型の木が、「荒木地」です。

図面に似合った大きさの荒木地を選びます。

荒木地は、漆木地の産地。石川県加賀市山中温泉から取り寄せます。

荒木地の除湿乾燥をしてくれる材木加工屋さんがあります。

こういう産地があるお陰で、僕のような作家が制作ができ、

教育機関でも技術を伝えることができます。

木地だけでなく、漆に関しても、産地の存在があって、産業があるお陰で、

材料が生産され、技術は伝承されていき、

作家として制作することができていると感じます。

ありがたいことです。

器の大きさに合ったはめ木を轆轤に装着し、

まずは外側の形から成形します。

お椀などの「縦木取り」の木を加工する際には、

山中轆轤式の挽き方をしています。

山中式は、外側成形→内側成形 の順に木地を挽きます。

挽く位置、身体の移動が少ないので、効率が良く、図面と形を見比べやすく、

量産することに向いている挽き方なんだろうと思います。

はめ木には、釘(爪)が刺してあります。

これに荒木地を差し込み固定します。

爪で差し込む方法は、轆轤の技術が生まれた9世紀当初と、ほとんど変わりがないことが

神秘を感じてしまいます。

外側の幅を図る道具


挽いている作業は自分で写真に収めることはできないので、

あっという間に、できてしましましたが。。。

ちなみに轆轤師は皆、木地を挽く鉋は自分で作るんですよ。

木地を挽くには、まず木地挽ける刃物を作れないといけません。

考えると果てしないですね。

皆さんの外側の形ができました。

イメージに合っているかは多少不安ではありますが、

人の考える形を起こす機会は、ほとんど経験にないので勉強になりますし、

人と、食べ物と、器と、想像してみるのは楽しい試験ですね。

これ、オーダーメードだ!と今になって気が付きました。

外側を作ったら、内側の型を作ります。→続く