試験的漆教室 木地制作1
教室で描いてもらった器のイメージ画を持ち帰り、木地の制作に入ります。
まずはイメージ画を基に図面を起こしてみます。
イメージ画を頼りに、こんな感じでしょうかね?
図面通りの形が正解ではないので、これとイメージ画を基に
形を起こしていきます。
分厚いお椀型の木が、「荒木地」です。
図面に似合った大きさの荒木地を選びます。
荒木地は、漆木地の産地。石川県加賀市山中温泉から取り寄せます。
荒木地の除湿乾燥をしてくれる材木加工屋さんがあります。
こういう産地があるお陰で、僕のような作家が制作ができ、
教育機関でも技術を伝えることができます。
木地だけでなく、漆に関しても、産地の存在があって、産業があるお陰で、
材料が生産され、技術は伝承されていき、
作家として制作することができていると感じます。
ありがたいことです。
器の大きさに合ったはめ木を轆轤に装着し、
まずは外側の形から成形します。
お椀などの「縦木取り」の木を加工する際には、
山中轆轤式の挽き方をしています。
山中式は、外側成形→内側成形 の順に木地を挽きます。
挽く位置、身体の移動が少ないので、効率が良く、図面と形を見比べやすく、
量産することに向いている挽き方なんだろうと思います。
はめ木には、釘(爪)が刺してあります。
これに荒木地を差し込み固定します。
爪で差し込む方法は、轆轤の技術が生まれた9世紀当初と、ほとんど変わりがないことが
神秘を感じてしまいます。
外側の幅を図る道具
挽いている作業は自分で写真に収めることはできないので、
あっという間に、できてしましましたが。。。
ちなみに轆轤師は皆、木地を挽く鉋は自分で作るんですよ。
木地を挽くには、まず木地挽ける刃物を作れないといけません。
考えると果てしないですね。
皆さんの外側の形ができました。
イメージに合っているかは多少不安ではありますが、
人の考える形を起こす機会は、ほとんど経験にないので勉強になりますし、
人と、食べ物と、器と、想像してみるのは楽しい試験ですね。
これ、オーダーメードだ!と今になって気が付きました。
外側を作ったら、内側の型を作ります。→続く