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暗譜のしくみ

2016.01.12 08:20

暗譜。

ピアノ仲間でよく話題に上る話ですが、個人個人でかなり差があるようです。得意な人もいれば苦手な人もあり。暗譜の仕方も人によって十人十色。


私は暗譜が苦手ではありません。かといって得意というほどでもありません。なぜなら、覚えられる曲と暗譜出来ない曲があり、一度暗譜をしてもその曲を弾かなくなると忘れてしまうからです。

なんとなく、今必要なものだけ、頭の中のメモリに置いてあるという感じです。


暗譜の不思議。

謎は解明できませんが、私の暗譜事情を整理して書いてみます。何かのご参考になれば、ということで。


暗譜できる・できないの違い

曲の長さは関係ありません。

モーツァルトのロンドk485は7ページありましたが暗譜済みです。

一方、ショパンのプレリュード4番はほぼ1ページですが暗譜できませんでした。他にも、ギロックの1ページ〜2ページ程度の小曲もあまり暗譜できません。

今練習中のシューベルト即興曲90-2は、まだ譜読み段階ですが、手をつけていないコーダ以外は全て暗譜してしまいました。全部で8ページです。といっても、この曲はABAコーダの構成なので、実質的にはABで5ページ程度です。


暗譜出来る曲は、「覚えるぞ〜」と意気込んで暗譜するのではなく、いつの間にか結果的に暗譜していた、という共通点があります。


暗譜の仕方

などでしょうか。


例えば、即興曲90-2の場合。

冒頭の変ホ長調部分はメロディーが好きなので、心の中で歌いながら弾いています。好きなメロディーはすぐに覚えます。


そして2ページ目、変ホ短調になるとフラットの嵐です。フラット5個、ファ以外全てフラットです!ファとシ(ドのフラット)だけ白、と思っていても、途中でナチュラルがついていたりダブルフラットが出てきたり‥

この部分は上述の箇条書きの二番目に相当します。

楽譜を読むのが非常に大変なので、楽譜に書き込みました。

⚫︎ 黒鍵

⚪︎白鍵

下の画像では、最初の2小節だけ書いていますが、これを全部書くと、書いているうちに発見があります。

どの小節も白黒入り乱れているのですが、1小節だけ全部黒鍵の小節があります。この小節は左手もミ♭で黒。変ホ短調ですから基音だし、覚えやすいですね→とわかった時点でこの小節は暗譜完了。


他は、登ったり降りたりの繰り返しで目が回りそうですが(^◇^;)、よく見ると最高到達点が決まっていて、前回の最高音に次のフレーズの最高音も一致している(文書で書くと妙に固くなりますが、要は「ちょっと前の高いとこと一緒!」てな感じ)と理解できると自然に覚えます。


この曲、Bは左手の音が跳躍するので楽譜を見ながらでは弾けません。メロディーは頭にあるので、心で歌いながら鍵盤をガン見で練習しているうちに暗譜した形です。




人によっては、楽譜の画像をそのまま頭の中で再現するというフォトリーディング的暗譜もあるようですが、私はできません。右脳的・イメージで暗譜する方、左脳的・論理で暗譜する方、それぞれ違うのでしょうね。