20年ぶりに腕時計をつけてみた
愛し君へ
夏の訪れを待てず、台風が過ぎていく日この頃いかがお過ごし?
部屋の中で聞く雨音は悪くないね。
君は腕時計って普段つける?
先日、携帯電話はダメだけど、
腕時計はOKという場面に出くわしたよ。
これも何かの機会だと思い、思い切って腕時計を買ったよ。
というか、人生で初めて自分のお金で腕時計を買ったよ。
人にプレゼントする事はあったけどね。
そんなに頻繁には使わないだろうな~と思い、
新品じゃなくて中古で買うことにしたよ。
誰かが使っていた腕時計にあまり抵抗は無かったね。
お店がちゃんと消毒しているだろうと思ってさ。
リサイクル店のショーケースを覗くと、
千円くらいから10万円くらいまで、価格の差が激しい。
腕時計に興味が無い刈川からすると、
何でそんなに差があるのか全くわからないんだ。
値段の高い時計の方が、時間が正確っていうならまだわかるのだが、
安い時計でも十分正確に時間を教えてくれる。
何十万円もする時計なら、
せめて1分くらい時間を止める機能が付いていて欲しいものである。
刈川が腕時計をつけていたのは、
小学校6年生か中学1年生くらいまで。
去年亡くなった叔父がくれた1994年サッカーW杯の記念時計だった。
ネットでいくら探しても同じものが出てこない。
同級生の反応より、塾の先生など大人の反応が良かった記憶がある。
腕時計を素肌につけるのが嫌で、
長袖のTシャツの上からつけて、Gジャンを着ていた。
今考えるとオシャレ小学生である。
君にも誰かから貰った腕時計ってある?
欲しかった時計を思い返してみると、
子供の頃流行っていたG-SHOCK。
特にBABY-Gという女性向けの時計が流行っていた。
真ん中のボタンを押すと、モニターの中で、
イルカがジャンプをする時計があって、それはとても欲しかった。
調べてみると、とっくに生産中止だった。
希少なものらしく、訪れたリサイクル店には売ってなかった。
次に浮かんだのが、スイスの時計、スウォッチ。
これは中学時代、イケている先輩がつけていたんだ。
リサイクル店にもあったのだが、刈川の頭にあるスウォッチと随分違う。
随分派手になっていた。すごくシンプルなイメージだった。
ふと、その横を見ると、刈川の頭の中にあるスウォッチに酷似した時計が置いてあった。
ベルギー生まれの「アイスウォッチ」だった。
恥ずかしながら、この時、初めてその存在を知った。
リストバンドが色あせているのでお手頃な価格。
気に入ったので購入。
20年ぶりにつけた時計は、
知らない誰かがリストバンドの色が変わるまで大切に使い続けた時計でした。
数日間つけてわかったのだが、腕時計って便利。
時間を確認するのに、わざわざスマホを開かなくていいのだ。
思いの外、時間を確認するためだけに、一日に何回もスマホを開いていた事がわかる。
その流れでニュースサイトを見たり、動画を見たりしていたのだ。
携帯をずっと見てしまう現代人にこそ伝えたい。
腕時計をするだけで、スマホ依存症から抜け出せるよと。
何もかもスマホで出来る時代だからこそ、
一度役割を分けてみるのはどうだろう。
ウォークマンを持って、新聞を持って、
腕時計をして、友達と過ごせば、違った景色が見えてくるかもしれない。
君に会う時間はスマホはいらないしね。
でもスマホでデートの予定を確認する事は大事だね。
デートの約束をしよう。
次会う日まで会えない時間を大切に。