モーターサイクル・ダイアリーズ
きのう、食あたりでハラを下した。すごいいたかった。弱いなあおれ。 腹は痛いがそんなに寝てばっかりはできないのでDVDをみた。 「モーターサイクル・ダイアリーズ」。
旅行中、ぼく、ナスカでもハラを下して熱を出した。旅行中唯一の病気だった。 そんな(どんなだ?)南米を巡る内容の映画だ。 革命家、チェ・ゲバラがチェ・ゲバラと呼ばれるようにになる以前の物語。 アルゼンチン人の医学生、エルネスト・ゲバラは、年上の友人アルベルトと一緒に ぼろいバイクに荷物を積んで、南米縦断の旅をする。 アルゼンチンからアンデス山脈をこえチリへ。 チリでバイクは壊れるので、実は全部がモーターサイクルではない。 チリのサンチアゴから北上し、バルパライソ、アタカマ砂漠、チチカカ湖、クスコ、マチュピチュ、リマと行くコースはぼくらが世界旅行でたどったコースと同じだった。 2002年、バスやクルマでも相当きつかったこのコースを、50年前に、ヒッチハイクや徒歩などで行ったということにまず驚いた。 エルネスト(ゲバラ)は、当時23歳のぜんそく持ちの医大生。 ほんの興味で「旅」に出た彼は、南米の実情にどんどん意識を洗われていく。 チリやペルーで彼が目の当たりにしたのは、虐げられた人たちと、搾取する政治と資本主義だった。 弱い人たちがどんどんつらい境遇に追い込まれていく様子を、旅行中にかいま見ていく。 僕らが行ったときと、ほとんど変わっていない景色だということにも驚く。 貧民街、物乞いの子供、インディへナのおばちゃん、砂漠、しんきろう。 http://hayapon.com/photos/atacama/index.htm http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD5903/gallery/p003.html映画の最後、エルネストは旅先で誕生会をひらいてもらう。スピーチしろとはやしたてられた彼は、みんなのまえで「南米はひとつになるべきだ」という旨のことを語る。 ここで彼はエルネストから「チェ・ゲバラ」に変わったのかもしれない。 映画の最後に、キューバでチェ・ゲバラとなったくだりが二言三言で紹介される。 エルネスト・チェ・ゲバラは、この旅の相棒、アルベルトをキューバに呼んだ。 アルベルトはここに医大を作った。 彼は実は生きていて82歳、いまもキューバに住んでいる。 このスペシャルエディションDVDにはもう一つDVDがついている。 この、アルベルトさんが撮影に帯同するドキュメントだ。 82歳の彼が、50年前、エルネスト・ゲバラとともに旅したコースを、監督や役者と一緒にたどる。撮影にも立ち会い、役者や監督に意見を言う場面もある。 彼は82歳と思えないくらい若々しく、明るくおもしろい。 監督や役者はものすごく彼をリスペクトしていることがわかる。 この特典映像が、ものすごくおもしろい。 スペシャル版を買ってよかった! 実はこの映画の撮影は2002年もおこなわれていて、ぼくらが旅行した年と同じだった。 「旅」は人を変える。 上流階級の医大青年エルネストが、革命家チェ・ゲバラにかわるほど変わる。