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カンディンスキー展/ミュンター恋の物語

2011.01.31 17:20

「カンディンスキーと青騎士展」というのに行ってきた。 http://mimt.jp/aokishi/ カンディンスキー 

は「抽象画の巨匠でしょ」というくらいの知識しかなく、 いままで世界のいろんな近現代美術館で見てるんだろうけど いまひとつ ぐっと来ることは ついぞなかった。 ↓だって、これだもんなああ。

http://www.google.co.jp/images?client=safari&rls=en&q=カンディンスキー 三菱一号館美術館に入ってみたかったのと、 「みゅーぽん」という割引クーポンのアプリをダウンロードしたので それを使ってみたかっと言うへんな動機。 しかーし! 行ってよかった。 カンディンスキーより、その彼女?だったミュンターの絵と人生が好きになった。 ガブリエレ・ミュンターは、カンディンスキーより10も下の女性。

不倫とか離婚とかがまだまだ一般的でなかった1900年代なりたてののころ、 美術の先生だった既婚者ロシア人のカンディンスキーに恋をしたミュンターさん。 当時のカンディンスキーは、抽象画を書き始める直前で、印象派的な絵画を描いていた。 ミュンターもその影響でたくさんの絵を描いているのだが これがすばらしくいいのだ! ぐっときた。 とくにコレ。

写生するカンディンスキーを描いた絵もあるが、これまたいいですね。

さて、カンディンスキーさんは先生であり、妻と一緒にロシアからドイツに出てきてる訳です。 しかし、なんと、恋仲になった彼女と旅行をする訳です! この一連の旅行と、ミュンターの家での生活が彼を大きく変えていくのです。 どっちかというと、カンンディンスキーがミュンターの影響を受けたといってもいいかもしれない。 //本人はその後「ぜんーんぜん影響なんか受けてません!」と大否定してますが、それこそが「受けてます」の証明。 カンディンくんはミュンターに嫉妬してた節があります。 そんなおり、ロシアとドイツが戦争をはじめ、 カンディンくんは大量の絵画をドイツにおいて、ロシアにかえってしまうのです。これは好都合だったかカンディンくん。 なんと、ミュンターには、その後一度会ったっきり ぷっつり連絡を取らなくなったんです。 絵はおきっぱなしだし、どうしたの?と カンディンくんの捜索願をロシアの機関に出すんですが、 なんと!カンディンくん、ロシアで再婚してたんですね。フツーのひとと。。。。 なんということでしょう。。。。 しかもバカなカンディンクん、ミュンターに「俺の絵をロシアに送り返せ」と裁判までおこす始末。。。。 なんてバカなやつでしょう。。。大バカです。 さすがにミュンターさん、その後ちょっと鬱っぽくなってしまいます。 そんな傷心をいやしたのが10コほど下のアイヒナーくんと出会います。10年ほどたった後です。 さて、 時はナチスドイツの時代、ドイツ純血を謳歌するナチスに 敵国カンディンくんの絵なんて見つかったらすぐ没収です。 それを大切に地下室に隠して守ったのが、 なんと、このミュンターさんとアイヒナーくんなわけです。 ミュンターにとってみれば、甘い思いとつらい思いが混じり合った時代のカンディン君の絵ですよ!あなた! それを大事に保管したわけです。 作品の価値は認めていたんでしょか。なんてココロの広い人。お金はアイヒナー君が工面したみたいです。 ミュンターさんはナチス崩壊後もこの絵を保管し続け 自身の80歳の誕生日の1957年に この膨大なコレクションを全部ミュンヘン市に寄付しました。 おかげで、 抽象画に移行する過渡期のカンディンスキーの絵たちは ナチスに破壊されることなく現存するのです。 その絵たちが今回の展覧会にどーんと来ています。 いやあ、すばらしい。ドラマです!