寄れる展覧会、「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」at三菱一号館美術館
三菱一号館美術館の展示に行きました。想像してたよりよかったです。
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」 http://mimt.jp/nga/
何より今回の展示は、絵に寄れる。こういう企画展にありがちな、柵とか線による「寄り制限」が、この展示には、ありませんでした。小作品が多いので、寄ると、ほんとに画家が描いていたときのストロークを想像できるので楽しかった。
今回の作品群は、もともとプライベートコレクションのものなので、一人の女性が集めたもので、その嗜好とかテーマ性が感じられておもしろいです。逆に、その画家を代表しない?作品ばっかりなので、そのあたりもとても興味深いです。ルノワールとかセザンヌの私的な絵とかがあって、なんかぐっときました。そういうのが、三菱一号館の小さな部屋の雰囲気にとてもマッチしてました。
ぼくが気に入った絵。この絵のモデルのアンリオ夫人は、ルノワールがよく描いたモデルさん。この絵は、アンリオ夫人自身が、最後まで手元に持ってたそうです。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《アンリオ夫人》 1876年頃 油彩・カンヴァス 65.8×49.5㎝ ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵 National Gallery of Art, Washington, Gift of the Adele R. Levy Fund, Inc.
展示の詳細はココ↓
http://mimt.jp/nga/midokoro.html
印象派って言葉、「印象」で一括りにするのは、すごい無理あると常々思うんだけど、ここに集められた画家の共通点って「同じ時代だった」くらいで、皆それぞれに描くテーマちがうし、興味の対象も違うし、「描きかたが似てるだけで、印象派って呼ぶのは、なんか尊敬ないなあ」って、そんなことを感じる展示でした。
みなさんもぜひ、画家が描いた目線を共有できる「近さ」を体験してみてはいかがでしょ。