第6回十字軍9-フランチェスコ歌と共に逝く
2018.06.30 12:35
ついにフランチェスコが天に召される日が近づいた。彼は担架でポルツィウンコラ礼拝堂の近くの小屋に運ばれたが、懐かしい癩病院の前で止まり、アシジの町に別れを告げたという。そして1226年10月3日、夕暮れの中詩篇を歌いながら力尽きた。暗闇が皆を包んだ。
柩は遺言通り、クララの居るサンダミアノ修道院の道を通り、その前で開けられクララは最後に中から見ることができた。実は2人は最後に会おうと思ったときがあったが、お互い病気で、クララは伝言を送り、フランチェスコは返信を歌にして、弟子に彼女の前で歌わせた。
クララは、愛おしい彼と最後の別れをして、もう自分を導いてくれる人はいないと泣いた。クララと別れた後、遺体はサンジョルジョ教会に葬られた。クララは、フランチェスコの死後20数年も生き、フランシスコ会の規則が緩くなっても、無所有を貫いた。そして今度はクララが町を戦争から救うのである。
さて、天界では「あー聖なる方ってじれったいわねー、イエス様も私のハグを受け止めてくれなかったしー」「そーよマグダレナちゃん、私なんか母が会いに来たっていうのに、みなさんが私の母だなんて言っちゃうしー」「イ、イエス様これは?」「あーフランチェスコちゃんよく来たねえ、今取り込み中だから、男同士であちらで話そうね」
下はアシジを見下ろす聖フランチェスコ像