あなたの大学の都市伝説

神経を研ぎ澄ませて、風を感じる

2018.06.30 15:49

 



今年の気温がようやく30℃を上回り始めた




 夏




 暑さのためにかいた汗をみんな拭っている。




しかしそれでも




一日が始まってから時間が経ち




日が落ちてゆくにつれて




熱風は柔らかいあたたかい風となって




夕方には皆の汗をさらっていってくれる




汗だけじゃなかった




一日のうちに溜め込んだ疲れも




心地よい夜風が




「ふぅっ」と




軽くしてくれる




むしろ日中に汗をかいたことを肯定させてくれるくらいに




 休日の夕方




静かに本を読んでいた




 傾いてゆく西日が




今日の最後に僕の部屋を橙色に染めていた




 開け放っていた窓から




開け放っていた部屋のドアの方へ




心地よい風が無断で通り抜けていく




 静かな時間




 目を閉じて




その風に神経を研ぎ澄ませて




一生懸命にその時間を濃密に過ごそうと




無意識にそうしていた




 いつからか




幼いときに感じたことのある心地よい感覚にいまも出会えないかと




そんなことを思って過ごしている




それが至福の時間だったという感覚が




きっと頭の奥の方に残っているから




初夏の夕風 




 幼い時の感覚を思い起こさせてくれた




人生




素敵に生きてみよう


YUTAKA.