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生涯の美と健康のパートナー ゆえりゃん

母子生活支援施設での「親子のハンドトリートメント」

2023.06.25 05:04

わたしは今、病院や社会福祉施設向けのエステ「ソシオエステティック」の資格取得に向けてインターン実習中です。


エステティックというと、脱毛や痩身など若い女性向けの美容サービスのイメージが強いかもしれません。

しかし、医療や福祉の現場でもその技術が取り入れられ、心理的効果が注目されています。


ソシオエステティックは、病院や介護施設などで、フェイシャル、メイク、マニキュア、ハンド、フットの中からご利用者様に合わせた施術をするのですが、時には活動の一環でワークショップをすることもあります。


先日も、母子生活支援施設で「親子のハンドトリートメント」のワークショップのご依頼を受け、開催させていただきました。



みなさんは、母子生活支援施設をご存知でしょうか?


18歳未満の子どもがいる母子家庭など、生活上の問題を抱えたお母さんと子どもが一緒に入所し、生活安定のための相談や支援を受けながら、自立を目指して生活する施設です。


経済的困難、養育困難、未婚で出産など様々な理由でご利用されていらっしゃいますが、近年、増えているのが夫やパートナーからの暴力(DV)です。



2000年には、「児童虐待防止法」が成立し、18歳未満の児童が虐待を受けていると思われたら、発見した者すべてが児童相談所などに通告し、保護しなくてはならなくなりました。

そのため、母子生活支援施設への入居理由として児童虐待も増えています。



わたしがソシオエステティックを学ぼうと思ったきっかけは、コロナになり児童虐待のニュースを見るにつれ、なんとかしてその暴力の連鎖を断ち切りたいという想いが強くなったことでした。


わたしはエステティシャンとして、「触れる」ことを生業としています。

その人を癒したり、励ましたりできる手が、暴力に使われることに心を痛めずにはいられません。


そこで、活動の場を探していたときに母子生活支援施設の存在を知りました。



それまでは、周囲に母子生活支援施設を利用している人もいませんでしたし、近所にそういう施設があるという話も聞いたことがありませんでした。


ソシオエステティシャン養成講座で、母子生活支援施設についての講義を受け知ったのですが、近年、減少傾向にあるそうです。

個人と自由を求める時代のニーズに合っていなくて、「オワコン化」しているのではないかというお話もありました。


また、知られていないもう一つの理由として、夫からのDVや子どもへの虐待から逃れるために入居しているので、広報活動ができないからです。


わたしも始めて伺うときは、どんなところかわからなくて緊張しましたが、施設の新旧はあるものの、どこも温かく家庭的な雰囲気で安心して暮らせる場所づくりがなされています。


ちょうどそのときも、小学生のお子さんが「ただいま〜」と学校から帰って来たところでした。

そこから、お仕事に通っていらっしゃるお母さんもいらっしゃいます。


施設というより、「大きな家」という感じで、まさに利用者にとっての生活の場なのだと実感します。


また、わたしが関わった母子支援員の方々は、みなさん明るく親切で、何より利用者の自立に向けて熱心です。


きっと、利用者にとって「大きな家族」のような存在なのだと思います。


そんな熱心な職員の方々に出会え、わたしの想いに賛同していただけ、一番やりたかった「親子のハンドトリートメント」のワークショップが実現したことは光栄です。


「こんな素晴らしい施設があるのならみんなに知らせたい」と思うのですが、利用者の安全と安心のため隠さなければなりません。


(入居をご希望される方は、お住まいの市区町村の福祉課にお問い合わせください。)


そのため、今後は地域と母子生活支援施設をつなげる存在にもなっていけたらと考えています。



今日もテレビで流れる虐待のニュース


虐待はあってはならない。

でも、もし誰からも大切にされず、自分も親からそのように虐待されていたとしたら‥



残念なことに、虐待をする人は、自分も虐待を受けていることが多いという事実があります。



どうして、自分がされて辛かったことをまた配偶者や子供にしてしまうのでしょう。


わたしの周囲にも夫のDVが理由で離婚した方がいらっしゃいますが、昭和生まれの夫は自分の父親が母親にそうしていたため、そういうものだと思っていたそうです。

母親も、男はそういうものだと思っていたそうです。

だから、相談しても、「あなたも我慢しなさい。」と言われたそうです。



確かに、私の子供時代は、仕事熱心で、家庭のことは妻に任せて子どもの問題と向き合おうとしない父親がたくさんいたように思います。

子供と触れ合うどころか、遊んだこともないような父親もいたのではないでしょうか?



子育ては思うようにいかないことばかりです。

親もいっぱいいっぱい。

そんなとき、子供が泣いたり、駄々をこねたり、叫んだとき、あなたならどうしますか?



もし、子供とのコミュニケーション方法を知らずに親になってしまったら‥


子どもを黙らせるには恐怖(暴力)が一番手っ取り早いと考えてしまいませんか?



安易な考えかもしれませんが、自分が愛情を感じられずに成長してしまうと、愛情のかけ方がわからないのではないかと思います。


わたしは、職業柄、触れることは一番のコミュニケーション方法だと考えています。

(以前のブログ記事 「トリートメントはコミュニケーション術」 をご参考ください。)



わたしには、3人の子供がいます。

小さな頃は手をつないでくれた子も、小学校中学年ぐらいから手をつなぐことはおろか、言うことも聞いてくれなくなります。

でも、わが家では子どもがことあるごとに「マッサージして」とトリートメントをせがんできました。


身体が解れると気持ちも解れるのでしょうか?

それとも、本当は話がしたかったのでしょうか?


トリートメントをしていると、「最近、友達とうまくいっていない」「部活が忙しくて勉強できない」など、ぼそっとこぼします。


そして、トリートメントが終わると「ありがとう!もう大丈夫。」と言って、晴々とした顔になります。



ワークショップで、あるお母さんが「子どもの笑顔が見れて良かった!」と嬉しそうにおっしゃってくださいました。


笑顔を失ってしまう程のどんな辛いことがあったのだろうと、考えずにはいられませんでした。



人は弱く、安易なものに流されやすい。

そこに、危うさがある。



しかし、暴力を受けた人こそ、人の痛みがわかり、やさしくなれると信じています。


もし、手を挙げたい衝動に駆られたら、そんなとき思い出して欲しい。

「親子のハンドトリートメント」


トリートメントが暴力の連鎖を食い止める手段となればよいと考え、今後もこの活動は続けていきたいと思います。



ゆえりゃんでは、ワークショップのご依頼を承っております。

グループで、楽しく、おしゃべりしながら体験する講座です。

ハンドケア、メイクアップ、スキンケアなど目的に合わせてご相談に応じます。