若狭 9 後瀬山城
2023.06.19 21:00
今回の旅の最大の目的であり、
わたくしが憧れ続けた歌枕、後瀬山ですが、
その山腹をいまはトンネルが通っています。
ちょっと怖い感じですが、
小浜線が通っているのです。
ちなみに、ある男が八百比丘尼の岩窟に入ったところ、
なんと丹波の山奥に出たという伝承が残っていますが、
このトンネルもそんな感じがします。
(安心してください。隣の駅に着きます)
中世には山頂に城が築かれました。
後瀬山城です。
若狭武田氏によって築城されましたが、
あまりにも険しく、ふだん使いには不便だったようで、
江戸時代には廃城となります。
神を宿し、歌を宿す後瀬山ですが、
その山頂に城を築くというのは、
神聖な場所に土足で踏み込むような感じがします。
いまは愛宕神社になっています。
鳥居は登山道の入り口なのですが、
この先はなかなかに険しく、装備も不十分なため、
途中で断念しました。
そもそも歴代の城主たちも山頂に住むことはなく、
麓に居館を構えて住んでいました。
いまは立入禁止のひたすら広い空地になっています。
帰路、後瀬山から電車が出てきました。
聖俗混淆の後瀬山でした。
良い一日をお過ごしください。