この街に生まれて
二回目の富士見シネマが金曜日にありました。
サロンを始めて数ヶ月がたち、夕方の特定の時刻になると子供達がなんとなーく、ゆるーく、顔を出すのが通例となってます。
レッスン中でもおかまいなくドアをノックする、それでいて何を話すでも何をするでもない。
じーっと気がつくまで座敷わらしのように窓辺に立ってる子もいる。
中に入りな、と言えばそそと入ってきて校長を見たりなでたり。
暑いからアイスクリーム食うか?と言えばいらないという。
男の子の時もあれば、女の子の集団の時もある。
そんな何をするでもない彼らを見ていると、ふとあの頃の自分と比べてしまう。
学校帰り、自分の生まれた田舎町でも、駄菓子屋があり、タバコ屋があり、ちょっとした小上がりや木陰のあるベンチがあった。
そこで過ごす、家でも学校でもない時間は大人になった時、居酒屋になり、ライブハウスになったんだよね。
今の子供、いや、全部を知らないから、この町の子供にはそんな場所がないのかもしれない。
彼らになんかできないかな?
そんなことで始まった富士見シネマ。
好きなお菓子と飲み物、お気に入りのクッション持参でみんなで映画を見る。
2回目にしてかなり浸透してくれた気がする。
声をかけると、もうその話は聞いている、とか、○○ママから誘われた、とか。
おかげさまで予約だけで満員御礼。
スクール前がママチャリで占拠された(笑)
両隣さんは心良く場所を提供してくれた。
それでも満杯。
あっという間にサロンは子供達の秘密基地になった。
パパママ同伴で参加は1組。後は子供達だけ、薄暗い空間。大きなスクリーンからは大好きなミニオン。
音響もバッチリ!
たった2回じゃまだ大きなこと言えないんだけどね、大人になった時、いや、もっと前、彼らが中学生や高校生になったころ、僕私の町には時々開かれる小さな映画館があったんだ、なんて思い出したり、誰かに話してくれたりしたら嬉しいな。
この町に生まれて良かった、と思える何かしらのお手伝いが出来ているなら、こんなに嬉しいことはない。
あの日の自分がそうだったように。