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とほん店主のちょっと気になる入荷案内 no.11

2023.06.17 06:43

店主が私的に気になる本をご紹介。1カ月ぶりの更新です。前々回が11月更新、前回が5月更新と間がめっちゃあるので紹介できていない本がたくさんあることに気づきました。今日は時間があるので、いつもより多めに紹介したいと思います。

松下育夫さんの詩の教室で勉強した著者初の詩集。素人の方が詩を学ぶことで、こんなに胸を打つ詩を書くことができるのかという驚き。生きることが苦手で内向的な空気感をまといつつ、妻と支え合い暮らすささやかな日々に胸を打たれます。




なぜ、その場所を選んで、どんな思いで本屋を開き、何を思いながら本屋を続けているのか。私も雑誌にこのような文章を寄せたことがあるけれど。本屋をしている理由は人それぞれだなとつくづく思います。私も頑張らねばと元気がもらえる素敵な1冊です。


日野さんのTwitterはかなり昔からフォローしていてずっと読んでいる。書店員として人としての誠実さと、誠実であるがゆえの謙虚さも感じられ、こうしてまとまった文章が読めることが嬉しいです。ご自身は誠実ではないとおっしゃるので、誠実ではない部分にも目を向けたいと思います。

こちらの人文編集者の方たちがTwitterのスペースでよく話をされているなと、隙あらば聞こうと思っていたら、雑誌も登場して驚きました。編集者の方たちなのだから雑誌のクオリティも抜群です。「おてあげ」というタイトル、蟹のイラスト、入りやすいテーマからの深みある内容。プロの仕事はやはり違う。

圧倒的に共感するタイトルと内容。私は今48歳だが、大人にならないうちにおじいちゃんになる気がしている。我が身を振り返ると、小学生くらいからすでに年齢についていけてない。劣等感がひどすぎて、同級生よりも自分は2~3歳年下だと思うことで気持ちを立て直して学生生活を送っていたことが思い出されます。

小泉今日子さんの推薦帯の言葉。「もう朝だ。今日の天気は薄曇り。空の淡い白さを眺めながらいつまでも彼女の言葉を読んでいたかったと思う。」 ちょっと褒めすぎではと思いつつ本を開いてみると、確かにこれはいつまでも読んでいたい。著者の見汐さんに、なんだか目が離せなくなります。

イラストレーターとして本の挿画やイラストなどを描き、自ら物語も紡ぐモノ・ホーミーさん。本書は「貝がら千話」シリーズから猫の話を集めた本です。童話のような寓話のような夢見ごこちで楽しめるショート・ストーリー。次はどんな風に猫が登場するのかと思うだけで楽しくなるので、猫好きさんにおすすめです。


スピッツの歌詞がそのままjunaidaさんの手によって漫画に。歌を聞きながら読むと、歌詞の通りなのに、しっかりと物語になっていて感動します。歌詞では説明されていない、情景描写や人物造形などが漫画として描かれ、漫画としても十分に楽しめる完成度。スピッツの歌詞の世界観と、junaidaさんのイメージ喚起力&物語構築力の凄まじさに脱帽です。