腹式呼吸2
ゆっくり、小さく呼吸をすると難しいということがわかってもらえたと思います。
それでは、次に意識を使って腹式呼吸してみます。
どこに意識をもっていくか説明しますが、場所を鍼灸の穴で説明してみたいと思います。
天枢という穴があります。
お臍の高さの外側で指三本分の位置です。
正確じゃなくても、だいたいこのあたりということで良いと思います。
まず、右のお腹の天枢あたりを凹ませたり膨らませたりするように腹式呼吸してください。
如何でしょうか?
普通にお腹を引っ込める腹式呼吸とは違いませんか?
右天枢を意識した時、左の腰を使うような感覚が起こったのではないかと思います。
左天枢の場合は逆です。
これも人によって違うかもわかりませんので試して見てください。
ここの穴は便秘に効果があるとかないとか・・・。
ネットとかで調べても胃腸の調子や便秘に効果があるとか書いてあって、マッサージの仕方とか書いてありますよね。
デトックス効果とかね。
なんでも横文字にしたらええんかい!!
って思いますが・・・。
素直にそうなんだと思う人はそれで良いのですが、私のようなへそ曲がりは、ホントですか?
と聞かれてもわかりません。
と答えるしかありません。
ただ、ここを意識しながら腹式呼吸をしたいと思った場合、乱雑に大きくお腹を膨らませたり凹ませたりできません。
ゆっくり小さくしないと意識できないのが普通です。
こんなところを意識することは普段ないと思います。
また右天枢を凹ませた時、腰椎が右回旋(右に捻る動き)が起こるのを確認できるのではないかと思います。
左天枢は左回旋が起こります。
もちろん殆ど動かないぐらいですのでわかりにくいとは思います。
また天枢あたりを良くみてもらうと右と左で高さが違いませんか?
右が膨れている人は腰椎が右回旋異常を起こしやすく、左が膨れている人は左回旋異常が起こりやすいということがわかります。
そして便秘に効くというのはお腹にある穴だからというのではなく、腰椎の左右回旋運動が自然に起こるからと言えなくもない訳です。
もちろん、天枢あたりということで良いと思います。
その下のST26(外陵)やST27(大巨)と区分けすることはほぼ不可能です。
ただよく注意深く行うと僅かな位置によっても違う感覚が起こります。
穴をこういう見方で見ていくと面白いと思います。
普通の鍼灸師はこういう見方をしませんからね。