学校の先生の大変さを塾の先生が語る
教員の友人がいる。
小学校、中学校、高校と職場はバラバラだが、皆素晴らしい先生方で、「こんな先生が担任だったら楽しそうだな、頼りになりそうだな」と密かに思っている。
よく生徒に「塾の先生と学校の先生って仲悪いの?」と単刀直入に際どい質問をされることもあるが、「塾の先生と学校の先生は、君たちのよりよい人生を願ういわば同志だよ」と答えるようにしている。うん、僕の好感度も上がる。すみません、冗談です。
でも、同志という気持ちに偽りはない。
たしかに、塾で働いていると、「入試前にこの宿題出すの?」「このテスト問題は意味があるの?」「この教え方は…」「この採点は…」と言いたいこともあるのだけれど、直接出会う先生は、みんな素晴らしい方々ばかりだ。
身内にも教員が居るけれど、話を聞いているだけで、「すごい先生だな。僕も負けてられないな」と刺激をもらえる。実際に、超人気の先生で厳しいくせに生徒たちからもすごく愛されている。ずるい。
僕らは同志だ。別にそれを強制するわけじゃないし、色んな考えの人が居て当然だけど、僕はもっともっと公教育と私教育が歩み寄ってもいいんじゃないかと思っている派の人間だ。互いが切磋琢磨しあえば、何より未来を生きる子どもたちのためになる。それが、何より大事だよね。
だから、本日のテーマは別に僕が口出すことじゃないんだろうけど、あえて書こうと思う。もしかしたら既にお気付きの読者の方もいるかも知れないが、改めてはっきりと言ってみよう。
「先生というお仕事は、大変である」
前述の通り、これについても賛否両論、色んな考えがあると思いますが、僕のブログだから僕の好きなように書きますね、と前置きをして、語ります。今回、文言がキツめになりそうなので、助っ人を呼びました。
「よろしくな」
こちら、ブラック勉強犬さんです。言いにくいこともズバリ言ってくれる心強い味方。でも、生徒想いの良い奴なんですよ。では、いざ参りましょう。
学校の先生の大変さ
朝は大体5時おき。
朝練や学校によっては朝の掃除ボランティアが入る。朝の掃除はもちろん強制だ。「ボランティアの意味を辞書で引けと言いたくなる」と友人の先生が言っていてちょっと笑った。
ちなみに、休みの日にも5時に起きる。部活だ。試合がなくなりそうな雨の日でも5時に起き、学校の最寄り駅まで行って、生徒たちに「解散」とだけ伝えて帰ってくることもある。そうさせないためには、試合会場にもっと早く他の先生が行かなければならないというからギャグだ。中体連さん、時代は変わりました。もっと良い仕組み考えましょう。
ちなみに、最近はコーチのいる部活も増えたが、生徒たちの引率は教員免許がないとできない。というわけで、せっかくの休みの日も、朝から晩まで部活で潰れる。それはもはや休みではない。
時間的な大変さがわかりやすいので、まずはそこから所感を述べてみた。こんな取り組みもあるみたいなので期待したい。
改めてだが、あえてちょっと毒舌気味に綴っている。気を悪くされた方がいたら申し訳ないのだが、折角の機会だから、ブラックに攻めたいと思う。次に、肝心のお仕事内容に触れていこう。
昔は僕も「先生のメインの仕事は授業でしょ。楽しそう。行事も羨ましいなぁ。生徒にも囲まれてHAPPYだ」と思っていたが、大間違いだった。
たしかに、授業や採点、テスト作成、素点や教科コメント入力、環境整備、生徒指導、学級経営というイメージ通りのお仕事はある。塾の先生のひとりとしても、そこに時間をかけるのは当たり前だよね、という想いはある。多くの学校の先生方もそうだろう。では、何がその時間の邪魔をするのか。
実態はもちろんわからないが、友人たちの話に出てくるのは、やってもやっても終わらない校務分掌。まずその漢字が難しい(それは関係ない)。行事や委員会、会議の準備などなど。ま、まぁ、これもきっと大事なお仕事ではあるのだろう。
ただ、民間でもそうだが、現代の情報量・仕事量は過去に比べて何倍にも膨れ上がっており、仕事の密度も高くなっている。PCやインターネットの普及で、秒単位の情報のやり取りができるようになり、よく塾の教室長のお仕事も昔の5倍忙しくなったとか言われている。学校の先生もそうかもしれない。
あと、中学校ってクーラーがないところも多いのね。この暑さで教室で勉強って言われてもしんどいときあるよね。先生も、生徒も。県内のまだ未設置の学校にクーラーをつけるという計画も進んでいるみたいだが、クーラーつけたら夏休みは5日でいいんじゃないかという案も出ているらしい。実にブラック。
あとは、とにかく会議が多い。定時が8時半〜17時なのに、19時半から会議が平然と入っているって民間なら即ブラック企業認定です。
そして、改めて部活。好きな先生はいいと思うんだけどね。定時が8時半〜17時なのに、最終下校が18時半でそれまで残ってなくちゃならないって民間なら即ブラック企…(割愛)。
3日来ない生徒には家庭訪問し、無断欠席でご家庭にも連絡がつかない場合は捜索に出て、PTA役員の立候補がいなければ電話かけして頼み込み、中堅の先生の夏休みには民間企業を探してそこで無償で働いてくる謎の研修もあるそうだ。外でジュースを買えば市民に怒られ、ある保護者には「うちの子朝起きないんでモーニングコールしてください」と言われ、そしてまたある保護者には21時に電話がかかってきて「え?もう帰られたんですか?」と外からの電話を強要され、お給料は年功序列でボーナスも順繰り(のところもあるらしい)、休みはない。
もちろん「先生はそれが当たり前だ!」という方もいらっしゃるだろう。誤解を恐れず言えば、僕は働きたい人はいつまででもどこまででも働いたほうがいいと思っている。それが楽しいんだったら、とことんやるべきだ。自分の人生だし。でも、現代はそういう時代じゃないっていうのもわかっている。そして、もちろん働き方を他人に強制はできない。
先生たちもさ、働き方改革が起こればいいのに。部活をやりたい人はやればいいし、やりたくない人は授業や教務に集中してもらう。それで部活の顧問が減るなら、民間で部活をやりたがっている人をうまく活用する仕組みを作ればいい。うん、この話題はけっこうタブーっぽいから、にごしがてら昔の記事を挟んでおこう。
僕は決して「先生って大変だ!楽にしてあげて!」と言っているわけではない。その大変さ、折角だから生徒たちのためになるようにもっともっと効率的に上手に使えないかというお話だ。例えば、授業をとことん極めたい先生は授業に集中できる環境にしてほしい。その方がよっぽど生徒たちのためになるんじゃないかな。
現実がわかっていない甘っちょろい意見だ、なんて思う方もいるかもしれないが、色んな学校の先生の様子を見ていて「なんだかなぁ」と思うことがあったので、書かせてもらいました。
先生たちが気持ちよく生徒たちを指導できる仕組みを作る。それって、そんなに難しいことなのかぁ。
以上、現場よりブラック勉強犬がお送り致しました。
「またな」
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すべては生徒たちのために。