色絵 伊万里焼(2)
2018.07.03 08:18
海外に輸出された事により、中国磁器にかわり次第に人気になった伊万里焼。
海外で人気があった伊万里焼にも、人気にかげりが見えるようになります。
17世紀の終わり頃、内乱が続いていた為、輸出がままならなかった中国ですが、海外への輸出が再開されます。
また、世界貿易の主導権が長崎に出島があったオランダからイギリスに移り、イギリスが扱う中国磁器に磁器市場を奪われるのです。
さらに18世紀後半には、ドイツのマイセンなどで磁器生産が始まります。次第に伊万里焼は、中国やヨーロッパの製品に人気を奪われ、18世紀後半には、世界の表舞台から姿を消すこととなります。
その一方で、これまで海外に輸出されていた伊万里焼が減少することによって、その分が国内の庶民向けに回り、今まで高級品だった磁器が、庶民に普及するきっかけとなりました。
どの時代にも物語があり…
どの物にも物語があり…
ヨーロッパを中心に人気があった伊万里焼が、人気がなくなった事により、庶民への普及が進むという、何とも皮肉な感じもしますが…
美しいからこそヨーロッパの人々にも日本の人々にも受け入れられたように、美しいものを慈しむ気持ちはどの国の人も同じように思いました。