暑い夏を乗り切る更衣室・シャワー室設置、従業員のモチベーションで差別化
【ビジネス考察】 暑さの目安である。二十五度を超えたら夏日、三十度を超えたら真夏日と三十五度を超えたら猛暑日。朝から二十五度以上が当たり前つつとなる、日本の夏。東京は唯一、人口流入増で朝の電車ラッシュも厳しい。乗車率が百㌫を超える車内の空調は快適とはほど遠い。
もし中小・零細、大企業内に従業員用の更衣室とシャワー室があれば、大幅に生産性が向上する可能性がある。恐らく設置及び維持費用を充分に賄える程の利益を捻出できるだろう。
夏の都市部の現状は朝のラッシュから始まり、昼には真夏日ないし猛暑日。外であればYシャツはべたつき、中であれば身体が冷え込む。夕方には涼しくなるものの、衣類は変わらず。残業ともなれば、そのままの衣類で夜まで勤務する事になる。
これは不快である。
不快にも関わらず、効率を求め、生産性を重視し、改善や新たなアイデアを閃く事は拷問に近いのではないだろうか。
ならば、諸企業が施す事は一つである。
更衣室とシャワー室の完備だ。可能であれば全社員の更衣室を設ける。出勤時にスーツ姿を求めない。朝のラッシュに立ち向かえる様に、できるだけラフな姿での出勤を許可する。べたつきや嫌な臭いを一掃すべく、シャワー室に向い、リセットする。持ってきた又は置いておいたスーツ等に着がえて気分を一新させてから仕事にかかる。
これだけでも従業員のモチベーションは変わるだろう。昼や夕方にもシャワー室に入れる事で、外回りや交渉等で疲れた身体を癒す事ができる。着替えを複数、置いておけば、その度にリセットできるし、従業員の希望になる。「戻ればシャワーを浴びれる。」と。身体が冷えている場合にも回数制限を前提にシャワー室で身体を温め治す。ついでにストレスも流す。
無駄にシャワー室の時間を縛る必要は無い。個々には日々のタスクが存在する。そのタスクを放置ないし未完のままでシャワー室を使い続ければ、居場所は自然と失うだろう。あまりにも長時間の使用をしていれば、周囲の従業員からの監視が厳しくなり、指摘される様になるだろう。シャワー室程度ならば、個々人に使用時間を委ねる。
メリットは従業員のやる気である。良い仕事を求めれるならば、最初に良い環境を準備するのが経営サイドの仕事だ。現状の夏は劣悪だ。日本企業で、どれだけ全うな更衣室とシャワー室を完備しているのだろう。その絶対数が少なければ少ない程、自社の従業員のやる気は向上して競合他社と差別化する事ができる。求人情報にも記載でき、有能な人材を呼び込めるかもしれない。
勿論、この福利衛生の施策は寒い冬の時期にも充分に機能する。夏と冬の従業員のモチベーションを上げる事ができる。
記事:羽田野正法