その日その日を生き抜けばいいのであれば
2023.06.19 06:35
2,3カ月に一度くらい、
車椅子でコンビニに行くついでに近所を見て回る。
ここ数年で目立ち始めたのは
ベランダに生活感のない家が散見される。
エアコンの室外機がなかったり、
カーテンが取り外されていて室内まで見える。
家具も片付けられていて
もちろん、住人の姿は見当たらない。
この地域は千里ニュータウンのはずれで1980年前後に開発された。
当時は子育て真っ最中の団塊の世代が入居していき、
結構賑わっていた。
だが、40年が経ち団塊ジュニアは巣立っていき、
高齢者だけが残った。
そしてその高齢者もいなくなり始めている。
後に賃貸でもいいから住んでくれればまだよいのだけど、
どうも望み薄のようだ。
千里ニュータウンの先に開発された地域は
公団跡地は既に再開発事業が始まっている。
中には墓地だった場所も含まれる。
かつてその地で生きていた人の痕跡なんてものは
微塵も残っていない。
持続可能な社会というものはこういうものなのか?
こうも何も残らないものだと思う。
歴史上の人物もたびたび人生を夢に例えている。
ただ、これまで人生は何かしらを残さなくてはいけない。
そんな強迫観念のようなものを感じて生きてきた。
でもそうでもないのなら、
その日その日を生き抜けばいいのであれば
なんとかなるかもしれない。
そう思えるようになった。