自然との共生
Facebook高野 誠鮮さん投稿記事 ·
「折り合いを付ける!?」
リンゴ畑にとっての天敵は、カラスやタヌキであろう。木村秋則先生のリンゴ畑を訪ねたときに、不思議とカラスがいない事に気づいた。他のリンゴ畑周辺には居るのに、何故か木村さんの畑にはいない。その事を尋ねると、直ぐに「うん。折り合い付けたの!」との返事が咄嗟に返ってきた。それ以上探りを入れないで、数年後「詳しく聞かせてください」とお願いすると、かつてカラスの子が巣から落ちて、親カラスが鳴いていたので、「そっと巣に戻してあげたの。それ以来、いたずらしなくなったのよ」との返答が。また、「タヌキは、罠に狸の子がかかっていて、近くで親らしい大きな狸が見てるのよ。骨折もせずに挟まっていたから、助けてあげたのよ」と。それ以来、タヌキの被害が無くなったと、台風なんかで落下したリンゴは、畑の一角に集めておくと、それだけが無くなっていたのだと。商品となりそうなリンゴには、一切手を出さないようになったという。動物たちと折り合いを付けるという事は、こういう事なんだろう。憎い害獣と考えるか、それとも同じ生き物として考えるかで、関係性は大きく変わってくる。他のカラス集団が木村さんのリンゴを取りに来ると、助けた集団が追っ払ってくれている。カラスの恩返しは、あるものなのだと理解した。
Facebook小早川 智さん投稿記事·
縄文人は、祈りと感謝の精神文化を頑なに守り続け、1万年もの長きにわたって自然循環型文明を築きあげてきた。なぜ、縄文人は1万年もの間、平和な時代を築けたのか?
それは、「所有の概念がなかった」からだと思います。特に、「土地の所有」という考え方がなかった。食べるものは自然に与えられているから、受け取るだけです。食べるものが採れなくなったら、住む場所を変えればいい。
現代の争いの多くが、自分の土地・領土を守るために起こります。
そこには反対に、土地・領土を増やそう、広げようとする他者がいます。
ここに利害の対立が起こり、争いに発展します。
私たち日本人の中には、縄文人のDNAが12~20%くらいは残っています。
自然との共生、今、日本人の原点に立ち戻る時が来たと思います。
https://bd-wakamono.net/event_info/haiku-contest/ 【俳句コンテスト開催決定!】より
生き物を感じて俳句を詠もう
俳句コンテストを開催します!
募集テーマはズバリ『自然』です!!🌱
実は、俳句の季語って,秋は「小鳥」、春は「さえずり」のようにざっくりとした括りが多いそうです👀
そこで!
自然をよく見て、生きものたちのありのままの姿を良く知っている自然好き・生きもの好きの俳句を募集したいと思います!!
俳句の世界に新たな視点を取り入れ、生きもの好きの世界も俳句好きの世界も盛り上げていきたいと思います!🙌
自然が好きなあなただからこそできる!そんな俳句を楽しみにしております!
審査員:高柳克弘さん(俳句雑誌「鷹」編集長/早稲田大学講師)、生物多様性わかものネットワークメンバー
優秀賞は高柳さん、特別賞は生物多様性わかものネットワークメンバーが担当
作品の投稿締切:9/28(水)
発表:10/5(水)
発表形式:コメントを添えて当団体SNSやホームページにて発信させていただきます
俳句が初めての方にもぜひチャレンジしていただきたいです!
生きもの愛あふれる皆様のご応募、お待ちしております!
https://www.oab.co.jp/event/yamaumi/report/report06.html 【星夜のセラピーハイク:レポート(2)】より
坊ガツル・タデ原湿原にて、やまはく・うみはく「夜のセラピーハイク」のイベントに参加しました。この坊ガツル・タデ原湿原は、国際的に重要な湿原が登録されるラムサール条約湿地の一つで、自然と人間の共生が実現しています。当日、参加者は夕方6時ごろ阿蘇くじゅう国立公園内の長者原ビジターセンターに集合しました。長者原ビジターセンターは、阿蘇くじゅう国立公園やくじゅう地域を紹介する施設です。館内の展示では、四季折々の違ったくじゅうの風景や自然の様子について見たり、学ぶことができます。
はじめに、ビジターセンター館内で日本の国立公園における人と自然の関係や、くじゅう地域の自然のなりたちについてお話がありました。参加者の方々はとても真剣なまなざしで聞いていました。
特に興味深かったのは、くじゅうにおいてそれぞれの季節が持つ独特な顔を「色」で表されるというお話でした。くじゅうの四季は「春は黒、夏は青、秋は赤、冬は白」と表現されます。四季は春の「野焼き」から始まります。春の訪れとともに行われる野焼きは、くじゅうの自然を守るためにとても大切です。野焼きをした地面を覆っている灰は、植物の栄養となり湿原の動物や植物が守られています。初めて野焼きを目にする観光客はびっくりすることも多いそうですが、このようにくじゅうの自然の維持には大変重要な役割を果たしているということをガイドさんが教えてくれました。これが春の「黒」です。
そして、野焼きで真っ黒になった大地は次第に新緑の世界へと変わってゆき、「青い夏」の訪れを告げます。力強い緑を発するくじゅうの夏はダイナミックで生命力と輝きに満ちています。夏が終わると、次にやってくるのは「赤い秋」です。気温の低い山頂の方から紅葉がはじまり、ススキが高原を覆い、たちまちくじゅうは秋の世界となります。そして、冬になると九重連山が霧氷や雪で覆われ、九州とは思えない一面の銀世界が広がります。くじゅうの冬は「白」一色となります。
ガイドさんのお話が終わる頃には日も沈み、いよいよ夜のタデ原散策に出発します。この日はあいにくの天候で、星空は残念ながら見えないという状況でした。真っ暗の湿原の中をガイドさんのライトを頼りにゆっくりと一歩一歩進みました。静まり返った森の中から微かに聞こえる小川の流れる音や、動物の音に耳を傾けて、その瞬間にこの湿原で起こっていることを想像しながら散策することができました。
途中、散策中の木道で手作りのパンとホットココアをいただきました。天気が良ければ見えていたであろう星空に想いを馳せながら、おいしいパンとココアを飲み、大自然の中の時間を満喫しました。
星空が見えないあいにくの天候とはなりましたが、真っ暗な大自然の森の中で夜ならではの音と雰囲気を感じることができ、非常に神秘的な体験となりました。 みなさんも秋の夜、大自然の真ん中で静かに動植物の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/kou/science/seibutsu-jissen_arch/201806/ 【生物教育における俳句の有効性】より
成蹊大学理工学部物質生命理工学科 佐藤 尚衛
1.はじめに
「古池や 蛙飛び込む 水の音」芭蕉の有名な俳句である。この蛙がどのような種のカエルなのか。春に見られ,水に飛び込むことが多い種で,かつそれなりに大きな個体。ニホンアカガエルか?ニホンヒキガエルはあまり水に飛び込まない,ニホンアマガエルは個体が小さいなどなど,俳句のバックにある情景と生物の様子を考えると自然と生物の様子を脳裏に描き出すことができる。俳句の世界において生物の季語は大変重要で,この季語を「生物季語」と私は呼んでいる。多くの俳人達も生物季語を使って有名な俳句を世に残してきた。生物季語が用いられた俳句は短い文の中に生物の生態や特徴が凝縮され,かつ日本人の視点でとらえられているため生態的特徴が分かり易い。季節ごとや単元ごとに登場する生物を,俳句を通して紹介し,生物の特徴や面白さを伝えることは実物を見た以上にその生物を理解し認識することができると考えている。幅広い視野で生物の学習を行うためには教科横断的な考えが必要であるが,俳句はその例に漏れず生物の授業で用いることはおおいに意義のある教材と考えている。特に以下の4点は生物の授業で俳句を扱う有効性として重要視している点である。
特に日本人の自然観は様々な教科にリンクし,国語や理科における知識も含め,命の大切さや生きる大切さを感じる上で最も重要な要素と位置付けている。自然との接点が希薄になる現在,日本人の自然観を再確認することは生物という教科にとって大変意味深いことである。
2.なぜ生物に俳句なのか
俳句は生物の生態的特徴を短い短文の中に凝縮している。従って,非常に分かり易い形で生物の生き様を感じとることが可能である。四季変化の激しい日本ならではの季節的変化も同時に感じ取ることができる。さらに,日本人独自の自然感を味わえ,生物学にとって最も重要な観察眼を養うことができる。
3.生物歳時記の授業展開
生物季語を用いた俳句を集めたものを「生物歳時記」と私は呼んでいる。生物歳時記は毎回プリントで配布し,授業の最初の10分を使い,季節に即した生物季語を選んで句を紹介する形をとっている。特に授業に用いる観察材料などの生物を紹介するとより一層その生物の認識が強まる。また,生徒に生物季語で俳句を詠ませ,その中の良い作品に関しては授業で紹介し,作品を生徒に紹介させるレクチャーを行うとよりアクティブになる。
4.参考俳句
以下に授業で紹介している句を2つほど紹介する。解説は省くので生物の生態的特徴から句の意味を連想して頂きたい。
<生態的特徴>
○4月(春)の季語
○寒い時期は触手が伸びない
○温かくなるにつれて触手が伸び餌を取り始める
<生態的特徴>
○6月(夏)の季語
○皮膚呼吸も行うが基本肺呼吸
○呼吸のため水面に時折浮上し,空気を吸う
5.生徒作品
以下に生徒が授業で詠んだ句を2つほど紹介する。これも解説は省くので生物の生態的特徴から句の意味を連想して頂きたい。
<生態的特徴>
○3月(春)の季語。
○花弁は赤色で目立つ色(緑色と補色関係)。
○香りがしない。
○鳥媒花で冬に咲く(特にメジロやヒヨドリ)
<生態的特徴>
○7月(夏)の季語
○寿命は2週間弱である
○寿命の尽きたセミは地面に落ち,体力が次第になくなり死ぬ
6.授業アンケート
生物歳時記を用いた授業を5段階で評価(5:とても 4:まあまあ 3:ふつう 2:あまり 1:全く)で以下の項目(表参照)についてアンケートを行った。(N=219)
その結果,生徒は生物歳時記をプラスの教材ととらえ,積極的に学んでいこうとする姿勢が見てとれた。実際に学んでいく中で楽しさを感じ,今後も学びたいという意欲が引き出され,生物歳時記は生物という教科を好きになる手段となりうることが示唆された。
アンケート項目 評価(%)
5 4 3 2 1
生物歳時記は楽しいか 28.3 51.6 16.0 4.0 0
生物歳時記の俳句は理解できるか 51.6 36.5 9.6 2.3 0
生物歳時記で知識・幅が広がったか 50.2 33.8 9.1 8.7 0.9
生物歳時記を学び,生物という科目に向ける目が変わったか 24.7 36.5 27.9 9.6 1.4
今後生物歳時記を続けて欲しいか 49.8 42.0 14.2 2.3 0.9
7.生物歳時記の有効性
生物歳時記の有効性として以下の4つの項目を挙げることができる。
①幅広い視野で生物を見る手助けとなる。
②生物観察のポイントが分かり易くなる。
③教科横断的な視点で国語との関連性を保ちながら授業展開が可能。
④用いる観察材料に即した俳句を用いることで自然におけるその材料の生き様を感じさせられる。
生物という学問は生き物を見つめ,自分を学ぶ学問である。多くの先人達は俳句を通してその重要性と素晴らしさを後世に残してきた。この世界で最も短い詩型の中に込められた生物の生き様を授業で扱うことは日本人の大きな特権であろう。