フランス・ロワールの古城巡り
(「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2015.11.28>解説より引用)
15〜16世紀にかけて、フランスではロワール地方が、政治・文化の中心地であった。
パリが政治・文化の拠点となったのは、17世紀に入ってからで、ヴェルサイユ宮殿も1682年に建設されている。フランス国内を流れる最大の河川がロワール川で、その河川沿いにシャトーと呼ばれている城は、約300も点在する。
今回の番組は、「美の巨人たち 放送15周年記念スペシャル」として、2回にわたり放映時間も延長しての数々のお城が紹介された。
アンリ2世と、正妻のカトリーヌ・ド・メディシス、愛人のディアーヌ・ド・ポアティエとの間での、シュノンソー城を巡る変遷の歴史も紹介されたが、観光客からも最も人気のある城と伺い、合点がいった。
(番組を視聴しての私の感想綴り)
ヨーロッパの城については、ほとんど素人ですが、ドイツのノイシュバンシュタイン城、アニメ映画『白雪姫』のモデルになったスペインのセゴビア城、『ルパン三世 カリオストロの城』のモデルといわれる、リヒテンシュタイン城、世界遺産としても有名なプラハ城などが、有名である。
今回のフランスの城の中で、特に景観としても気に入ったのが、橋の上に建てられている「シュノンソー城」(16世紀)である。
フランソワ1世とレオナルド・ダ・ヴィンチが、フランスの城に与えた影響も興味深かった。実は、シュノンソー城も、イタリア・ルネッサンス様式を取り入れており、カトリーヌがフィレンツェ出身であったこともあり、城の増築として橋の上に架けた回廊も、故郷のポンテ・ベッキオのような佇まいにしようと、意図したことが背景にある。
ヨーロッパの城というと、岩や要塞、堅固な壁といった硬いイメージのみが、先行してしまう。
そんな中にあって、優雅で気品のある佇まいを魅せながら、今なお人々の熱い視線を浴びているのは、美を巡る「独特の存在感と景観」日本人ならずとも頷けると感じた。
写真:「シュノンソー城」「美の巨人たち」テレビ東京放映番組(2015.11.28)より転載。
同視聴者センターより許諾済。