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逆のものさし講新聞 「後世への手紙」

【映画「告白」】

2018.07.05 21:00


逆モノ業務連絡をブログで見たので、この映画を見た。


淡々とした静けさの中、淡々と進んでいく映画。


だからこそだろうか、恐怖の本能を刺激する。


しかしその恐怖はあってしかるべきものであって、

決して目を背けるものではない。


恐怖と同時に味わう感情がある。


それが何なのかは、人それぞれであろう。



ただ一つ言えることは、

感情は単純ではなく複雑系だということだ。


喜怒哀楽というが、今味わっている感情の裏に、何かがきっとある。


楽のみを追い求めることが、いかに愚かで稚拙であるか。


それは感情の複雑系を否定する行為である。


その否定とは即ち、

人間の人間たる所以の否定に繋がる。




人間は、美しい存在であり、そして醜い生き物だ。


人間は、楽しい存在であり、そしてつまらない生き物だ。


人間は、明るい存在であり、そして暗い生き物だ。



身近な存在は疎遠になり得るし、


恋心を抱いた相手は憎しみの対象になり得るし、


憧れの存在は己を破滅に向かわしめ得る。



人間は、かくも複雑なる生き物なのだ。


当たり前ではあるが、

その当たり前を思い出させる映画である。


清濁併せ呑むことは出来るか。


楽や喜のみを良しとするのではなく、


苦や悲も受け容れることは出来るか。


ストーリーは映画を見れば分かるし、


時間を短縮したければ、ネットで調べればあらすじはすぐに出てくる。


なんて便利で、なんてつまらなくなったのだろう。



映画「告白」。


醜くて恐ろしくて、


淡くて切なくて、


寂しくて儚かった。



P.S. 「逆のものさし講業務連絡」が時々入ります。

今までの業務連絡をまとめましたのでご活用ください。






逆のものさし講名古屋

市川秀行